複数党が共同提出、年金改革に修正案を提示
28日、国会の厚労委員会では、自民・立憲・公明の3党が共同でまとめた年金制度改革関連法案の修正案が取り上げられた。将来の基礎年金の目減りに備えるため、付則に底上げ策の実施が記載されている。
若年層の将来不安に対応 立憲が目的を強調
立憲民主党の井坂信彦議員は、修正案の趣旨について「基礎年金の給付低下は中低所得層に深刻な影響を与える」と述べ、現役世代や若者が将来受け取る金額の減少を回避するための措置であることを強調した。年金制度の信頼性を高め、世代間の不安を軽減する狙いがある。
付則で財政検証後の対応策を明記
今回の修正案では、2029年に実施予定の財政検証において給付水準の大幅な低下が予測される場合、厚生年金の積立金と国費を活用し、基礎年金の水準を引き上げる措置を講じることが明記された。また、厚生年金の支給額が一時的に下がる受給者への緩和策も想定されている。
一部野党は採決の時期に反発し協議継続
与党側は30日の質疑終了後に採決する意向を示したが、立憲民主党を除く野党は採決のタイミングに異議を唱えた。これにより、今後の日程や採決方法については改めて与野党間で協議される見通しとなっている。
高齢化の進行が制度見直しを加速
基礎年金は全世代が対象となる制度だが、少子高齢化の影響により、将来の給付水準は現在より約30%減少することが見込まれている。制度の持続可能性と給付の実効性を両立させるため、今回の修正案は今後の年金政策の方向性を示す重要な一歩といえる。