アマゾンAWS障害、世界の主要アプリに影響拡大

浅川 涼花
经过
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世界的クラウド障害で多数のデジタルサービス停止

米国時間10月20日、アマゾン・ウェブ・サービス(AWS)で発生した大規模障害により、世界各国のオンラインサービスが相次いで停止した。
ゲーム、金融、通信、AI関連の分野に影響が及び、日本国内でも一部アプリの利用障害が報告された。
AWSは世界中の企業や政府機関が利用するクラウド基盤であり、その停止はデジタル社会の根幹を揺るがす事態となった。

人気ゲームやSNSが相次いでダウン

障害の影響を最も受けたのは、オンラインゲームやソーシャルアプリである。
「フォートナイト」「ロブロックス」「クラッシュ・ロワイヤル」などのゲームがアクセス不能となり、ユーザーの報告が急増した。
さらに「スナップチャット」「シグナル」といった通信アプリも停止し、運営企業はSNS上でAWSの障害が原因であることを公表した。

金融やAI関連サービスも機能停止

テック業界だけでなく、金融・決済関連のシステムにも混乱が広がった。
ロビンフッドやコインベースなどの暗号資産取引所、ペイパル傘下の決済アプリ「ベンモ」でも通信エラーが発生。
また、生成AI検索を提供するパープレキシティも停止し、同社のCEOが「原因はAWSの障害」と明言した。
一時的な停止ではあったものの、クラウド依存の大きさを印象づけた。

AWSが示した回復の兆しと運用体制の課題

障害発生から約3時間後、日本時間午後7時の時点で一部機能の復旧が確認された。
AWSは公式サイトで「エラーレートや遅延の増加が解消しつつある」と発表したが、詳細な原因については公表していない。
この対応をめぐり、システムの集中管理やバックアップ構造の脆弱さが指摘されている。

クラウド集中構造がもたらす新たなリスク

今回の障害は、少数のグローバル企業が世界のインターネット基盤を支配している実態を浮き彫りにした。
日常生活の多くがクラウドに依存する現代において、単一障害点(Single Point of Failure)の危険性は高まっている。
冗長化や分散管理の重要性が改めて認識され、各企業のリスク分散戦略が問われている。

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