円安進行と先物買いで日経平均が堅調に推移する展開に

市原 陽葵
经过
読了目安: 11 分

東京市場で海外勢の買い戻しが強まり指数上昇が続く状況

13日の東京株式市場では、日経平均が前日比218円52銭高の51281円83銭となり、続伸となった。米政府機関の閉鎖がこの日までに解消され、不透明要因がひとつ後退したことでリスク選好の姿勢が広がった。寄り付きはハイテク株の弱さが相場の重荷になったが、米株価指数先物が昼過ぎから上昇基調を強め、投資家の買い意欲が戻った。円相場が1ドル=155円近辺まで下落したことも輸出企業の収益改善期待につながり、買いを後押しした。海外投機筋とみられる先物主導の買いが断続的に入り、日経平均は取引時間を通して堅調さを保った。

銘柄別の動きに広がりが見られ業種間の明暗が表れる展開

個別では、フジクラや住友電などの電線株が買い優勢となり、需給面の改善も意識された。医薬品関連ではエムスリーや中外製薬が上昇し、業種別でも医薬品の強さが目立った。一方、前日に大きく値を下げたソフトバンクグループは売りが続き、日経平均の上昇幅を抑える要因となった。ゲーム関連では任天堂やコナミグループが軟調に推移し、関連セクターの重さが示された。三菱UFJは株式分割を考慮した上場来高値を更新し、銀行株への資金流入が続いた。市場参加者の間では、AI関連から割安株への資金移動が起きているとの声が上がっていた。

業種の上げ下げが市況の転換点を示す要素として注視される動き

この日の東証33業種では25業種が上昇し、非鉄金属や電気・ガス、証券・商品、ゴム製品、銀行業が上位に並んだ。反対に精密機器や情報・通信業、金属製品などが下落し、業種内の個別材料が株価に影響した。東証グロース市場250指数は721.49ポイントとなり、前日比で5.84ポイント下落した。半導体関連やデータセンター向け関連銘柄は堅調な値動きを見せ、建設株も一定の買いが入った。市場全体ではバリュー株を中心とする買いが継続し、先物の強い動向が指数を押し上げる主因になった。

株価指数の推移が相場環境の強さを裏付ける形で続く状況

TOPIXは3381.72となり、前日比22.39ポイント高で4営業日連続の上昇となった。JPXプライム150指数も1479.01となり、6.03ポイント上げた。東証プライム市場の売買代金は概算6兆2524億円で、取引活発な状態が続いた。値上がり銘柄は952に達し、値下がり604、横ばい56と買い優勢の構図が確認された。日経平均を押し上げた銘柄としてはアドバンテストやエムスリー、東京エレクトロンなどが挙げられ、それぞれが指数寄与度を高めた。一方、ソフトバンクグループやファーストリテイリングなどの下落が指数上昇を一部相殺した。

相場全体の資金循環が示す流れを踏まえた市場の動向整理

この日の相場では、米政府閉鎖の収束が安心材料となり、海外勢の買い戻しが強まったことが特徴的だった。円安基調が続く中で、輸出関連株へ資金が流れたことも市場を支えた。決算発表を受けた銘柄は明暗が分かれ、エムスリーやデクセリアルズなどが強い買いを集める一方、ニッパツやぴあなどが大幅安となった。東証プライムの売買高は24億6649万株に達し、活発な売買が続いた。投資家の間ではバリュー株への選好が続き、市場内部での資金の流れが鮮明になった。先物の動きや為替の変動に影響されながらも、指数は総じて強いトレンドを維持した。

この記事をシェア