測定系統の警報発信が発生
愛媛県伊方町の伊方原発3号機で、事故時に排気を分析する測定機器が異常信号を出したことが、27日の関係者発表で分かった。異常は午前5時過ぎに検知され、監視システムが自動で警報を発した。原子炉補助建屋に設置された装置は、事故時の高線量環境を把握するための設備であり、監視基準に従って直ちに詳細な点検が行われた。定期検査中の設備であったことから、機器は運転状態ではなく、監視が中心となる体制が取られていた。
電源供給部の障害が原因と判明
調査によれば、排気を吸引するポンプに電力を送る装置の内部で故障が発生していた。電源が途絶したことで排気の取り込みが停止し、測定機器はデータ取得ができない状態にあった。制御回路は稼働していたものの、肝心の吸引が働かず、本来の測定条件を満たしていなかった。四国電力は迅速に予備品へ交換する措置を取り、午後2時半には復旧作業が完了した。故障は局所的なもので、施設内の他の設備には影響が及ばなかった。
通常時監視設備は異常なしと確認
異常が発生した機器は事故対応向けであり、平常時の排気を常時測定する装置は別系統で運用されている。この通常監視装置には不具合が確認されず、周辺の放射線量に変化は検出されなかった。県と四国電力は、外部への影響が認められないことを重ねて説明し、施設の安全性に問題は生じなかったと整理した。故障期間中もバックアップ機器により監視が継続され、データの途絶は起きていない。
県が調査報告を求める意向を表明
県の担当者は、故障原因の究明と再発防止策の策定について、四国電力に対し正確な情報提供を求める姿勢を示した。監視設備は非常時の初動判断に関わるため、信頼性の確保が最重要であるとの認識を示した。今後の調査結果を踏まえ、必要な改善点が確認された場合は県として提言を行う方針を示し、原子力安全対策の強化を継続する姿勢を明らかにした。
28日の国の防災訓練への支障なしと説明
28日に予定されている国の大規模防災訓練については、今回の故障が進行計画に影響しないと関係者が説明した。訓練で用いる監視設備は通常時の測定機器が主体であり、不具合が生じた装置は訓練の運用に含まれていない。復旧が当日中に完了したこともあり、参加機関も予定通りのスケジュールで準備を進めている。県は検査中の設備点検を引き続き強化し、施設の安全確保に万全を期す姿勢を示した。