企業支援を目的とした新サービス
ソフトバンクは12月11日、企業の多様な業務をAIが代替する新たな基盤「AGENTIC STAR」を導入した。資料作成やアプリ開発をはじめとした複数の作業を自動で実施できる点を特徴とし、従来の業務フローを効率化する目的で設計されている。クラウド環境で稼働し、複数の業務を同時に処理する技術も搭載した。
既存システムや外部AIとの接続
今回の基盤は既存の企業システムとの連携を前提にしており、外部AIサービスと接続する機能も備える。業務内容に応じて最適なAIツールを選出し、必要な外部情報や社内データを統合して処理を進める方式が採用されている。これにより、企業が保有するデータ環境に柔軟に対応しながら自動処理を行う構成が実現された。
中小企業でも利用しやすい設計
ソフトバンクは本サービスを企業規模に関係なく展開すると説明している。料金は公表していないものの、担当部門は中小企業でも利用可能な価格帯を意識した提供になると語っている。消費者向け製品に組み込む例として、カーナビでの活用が提示されており、周辺情報の収集や提案など自動化された案内機能の提供が可能になる。
クリスタル・インテリジェンスの位置づけ
同社はOpenAIと共同で企業向け支援AI「クリスタル・インテリジェンス」を開発しており、将来的にAGENTIC STARとの統合的な運用が想定される。みずほフィナンシャルグループはすでに関連サービスの導入を公表しており、金融分野での利用が拡大する動きもみられる。孫正義会長兼社長はAIエージェントを多数展開する構想を示しており、グループ内の活用範囲は広がりつつある。
長期的な事業成長への期待
同社はAI事業領域の収益拡大を中長期戦略に位置付けており、関連サービスの売上として2030年に500億円規模を見込む。2026年3月にはAI機能の貸与サービスを開始し、外部アプリケーションや開発現場での需要を取り込む方針も明らかにした。AI基盤の整備は、国内企業の生産性向上に向けた取り組みとも重なり、導入拡大が進むことが予測される。