市場序盤は買い優勢で最高値を記録
23日のニューヨーク株式市場では、機械株や金融株を中心に買いが集まり、ダウ平均株価は一時300ドル超上昇。取引時間中の最高値を更新する展開となった。利下げを背景とした株高基調が続いていたことも、市場を押し上げる要因となった。
パウエル議長発言で投資家心理に変化
しかし、FRBのパウエル議長が講演で「金融政策は依然として景気抑制的であり、慎重な判断が必要」と述べたことで雰囲気は一変。株価は「かなり高く評価されている」との発言も市場に警戒感を与え、売り注文が優勢となった。結果、ダウは前日比88ドル76セント安の4万6292ドル78セントで取引を終えた。
ハイテク株下落、利下げ期待後退で投資家に警戒感
市場では、AI関連投資の持続可能性に対する民間レポートの警戒も広がった。ナスダック総合指数は下落し、エヌビディアは2.8%安。アマゾンやマイクロソフト、アップルなど主力ハイテク株も値を下げ、ハイテクセクター全体が相場を押し下げた。
債券利回り低下とドルの安定的推移
米国債市場では、10年国債利回りが4.119%へ低下。30年債利回りも下落し、安全資産へのシフトが鮮明になった。為替市場ではドル指数が97.25とほぼ横ばいで推移し、ドル/円は147円台後半を維持した。
金先物、一時3800ドル突破し史上最高値を記録
一方で、金の先物価格は一時3800ドルを突破し過去最高値を記録。FRBの追加利下げ期待や地政学リスクを背景に、安全資産としての需要が引き続き強まった。利益確定売りが入る局面もあったが、下落時には買い戻しが入り、強い上昇基調が維持された。