停戦後初の演説で「イスラエルに勝利」と強調
イランの最高指導者ハメネイ師は6月26日、国営テレビを通じて演説を行い、イスラエルとの停戦後初めて公に姿を現した。演説の冒頭で「まずイスラエルに対する勝利を祝おう」と述べ、イランによる軍事的対応がイスラエルに打撃を与えたと断言した。イスラエルの軍事行動に対して「代償を支払わせた」と語り、停戦の背景にはイラン側の強い姿勢があったと示唆した。
アメリカへの批判と勝利宣言が展開
続いてハメネイ師は、アメリカに対しても「勝利を収めた」と主張。アメリカが軍事介入を決断した背景には「イスラエルの壊滅を回避する意図があった」と指摘し、その上で「重要な成果を得られなかった」との認識を示した。軍事衝突に突入したにもかかわらず、イラン側は大きな打撃を受けず、むしろ米国の限界を露呈したと訴えた。
米国防長官は核施設攻撃の成果を強調
同日、アメリカのヘグセス国防長官とケイン統合参謀本部議長は、国防総省での記者会見に臨み、イランの核施設に対する攻撃が「決定的な成果を生んだ」と主張。核開発の停止に直結したとして、情報機関の分析を引用し「著しい損害を与えた」と述べた。特殊兵器の使用も明かされ、地中深くの施設にも効果的な攻撃が可能だったと説明した。
情報機関の分析結果に対する反論が展開
一部メディアが「核開発は数か月しか遅れていない」と報じたことに対し、ヘグセス長官は明確に反論。戦略的なインフラ破壊が完了しており、長期的な抑止効果があると強調した。記者会見では攻撃映像も公開され、バンカーバスターとされる兵器の破壊力が示された。
今後の交渉に言及なしも、緊張は継続
ハメネイ師は、トランプ大統領がイランとの協議を計画しているとの報道については言及しなかった。対話への道筋が見えない中、双方の主張が真っ向から対立しており、地域の緊張は依然として高い水準にある。