最大70%も視野 米が通商圧力を再強化へ

浅川 涼花
经过
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米政権が新たな交渉局面に突入

アメリカのトランプ政権は、貿易協議に進展が見られない国々に対し、新たな関税通知の書簡を発送する方針を示した。送付は7月8日午前1時(日本時間)に始まり、対象は最大15カ国に及ぶ見込みである。これは、アメリカ側の立場を明確にし、交渉に圧力をかける措置の一環と見られている。

一時停止中の関税率が復活する可能性

今回の書簡送付の根拠となっているのは、4月2日に発表された「相互関税」制度である。同制度では、基本税率として10%が設定されているが、国ごとの貿易不均衡に応じた追加関税も導入されている。たとえば、日本には14%の上乗せが課されており、これが8月1日から再開される可能性がある。

トランプ氏、8月適用を明言

トランプ大統領は、ニュージャージー州で報道陣に対し、「7日に最大15通、8日と9日にも複数の書簡を送る」と語った。また、同席したラトニック商務長官も、8月1日から新税率を施行する意向を示しており、書簡にはその通知が含まれる。以前トランプ氏は、税率が70%に達することもありうると発言していた。

「連絡すらない国」にも対応強化

ベセント財務長官はテレビ番組で、小規模国家に対しても100通近い書簡が発送されると明言した。こうした国々は、これまで米国からの交渉要請に反応を示していないとし、米政権としても対応を強化する姿勢を明らかにしている。一部の国とは既に合意に近づいており、今後数日内に発表が見込まれるとも語った。

実質的な交渉期限を延長

当初設定されていた7月9日の交渉期限について、トランプ政権はその実施時期を8月1日にまで延長する意向を示している。対象国には、合意の成立か、あるいは新たな関税発動の受け入れかという厳しい選択肢が提示されており、日本もこの中に含まれる。米政府は引き続き、貿易赤字の縮小と自国産業の防衛を外交・経済政策の中心に据えている。

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