EUが2026年導入を正式決定、加盟国は21に
欧州連合(EU)は7月8日、ブルガリアのユーロ導入を2026年1月1日付で承認した。これにより、共通通貨ユーロを使用する加盟国は現行の20カ国から21カ国へと拡大する。財務相らによる閣僚理事会の全会一致によって採択され、今後の技術的準備が進められる見通しだ。
目次
経済基準をクリア、欧州委が事前に報告
EU欧州委員会は6月の時点で、ブルガリアがユーロ導入に必要な経済的条件を満たしていると評価していた。物価上昇率や為替安定性、財政赤字の水準などの基準が検討され、すべての要件を満たしたとされた。この評価に基づき、閣僚理事会は正式な承認に踏み切った。
1999年開始のユーロ圏、拡大はクロアチア以来
共通通貨ユーロは1999年に金融取引で導入され、2002年には現金流通が開始された。以後、徐々に加盟国が増加し、2023年にはクロアチアが最新の参加国となっていた。今回のブルガリアの参加は、それ以来の拡大となり、地理的にも経済的にもユーロ圏の一体性が強化されることになる。
ブルガリアにとって通貨移行は国家的転機
ブルガリアは現在、レフを法定通貨として使用しているが、ユーロへの移行は経済の安定化と投資環境の改善が期待されている。過去数年にわたり、ユーロ加盟を目指して財政規律の強化やインフレ抑制策を講じてきた。今回の承認はその努力が評価された結果といえる。
欧州経済統合の動きに弾み、今後の注目も
ユーロ圏の拡大は、EUの金融的結束力を高めると同時に、今後の統合深化にも影響を与えるとみられる。加盟国間の貿易や投資の円滑化が進む一方で、共通通貨による経済運営の課題も浮き彫りになる可能性がある。ブルガリアの動きが他の東欧諸国にも波及するか、今後の展開に注目が集まる。