マスク氏が新党「アメリカ党」設立を宣言

市原 陽葵
经过
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財政政策への不満が新党設立の背景に

実業家イーロン・マスク氏は7月5日、自身のSNSで「アメリカ党」の立ち上げを正式に発表した。トランプ政権による大規模減税法案に対する批判を背景に、新党の必要性を強調したとみられる。マスク氏は「アメリカ党を結成すべきか」との問いかけに65%の支持が集まったとして、同日中の結成を宣言した。

トランプ大統領が強く批判「混乱を招くだけ」

6日、トランプ大統領は記者団に対し、マスク氏の動きについて「第3の政党を立ち上げるのは愚かなことだ。共和党は成功している」と述べた。民主党の迷走を指摘しながら、「過去に第3政党が機能した例はない」と、体制維持の正当性を訴えた。

かつては政権内で連携、今は政策対立が鮮明に

両者は過去に密接な関係にあり、マスク氏は2025年5月末まで政府効率化省(DOGE)の長として、連邦支出の抑制を主導していた。しかし、財政赤字を拡大させる減税策への不満が高まり、退任に至った。政権との距離感は明らかに変化している。

中間選挙に照準、議会選を主戦場に設定

マスク氏は今回の新党結成に際し、大統領選出馬の可能性を否定していないが、当面は下院および上院の選挙に集中する意向を示している。これにより、共和党と民主党の勢力図に変化が生じる可能性がある。現時点で具体的な候補者や政策の詳細は示されていない。

二極構造への挑戦が政界再編を促すか注目

共和・民主の二大体制が続いてきたアメリカ政治において、マスク氏の動きは異例であり、長年変わらなかった政党構造への揺さぶりとなるかが注目される。世論の支持や資金力を背景に、議会構成への影響がどこまで及ぶかが焦点となる。

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