訓練飛行中のF7戦闘機が住宅密集地に墜落
バングラデシュのダッカで21日午後、軍のF7訓練機が市内の大学敷地に墜落した。発生時刻は午後1時すぎで、機体は離陸からわずか12分後に制御を失ったと見られる。市街地上空で異音を発しながら下降し、そのまま大学施設に激突。墜落直後、爆発的な火災が起きた。
激しい火炎と煙、建物から逃げる負傷者の姿も
墜落直後に撮影された映像では、機体が衝突した建物から炎と黒煙が立ち上り、兵士や救助隊が負傷者を搬送する様子が確認された。やけどを負った学生らが木板などに乗せられて運ばれ、現場は緊迫した状態となった。複数の建物が損壊し、校内外で多数の負傷者が発生した。
パイロットを含む19人が死亡、政府が声明
病院関係者によれば、死亡が確認された19人のうちには訓練機の操縦士も含まれているという。その他、現場で巻き込まれた学生・教職員を中心に、160人前後がさまざまな負傷を負った。政府はただちに事故への対応と被害者支援の方針を発表し、空軍に対し詳細な事故調査を指示した。
証言にみる現場の混乱と避難の実態
大学職員の1人は「学生たちが教室を出ようとした瞬間に爆音が鳴り響き、炎が校舎を包んだ」と語った。構内は一時騒然とし、多くの人が避難の手段を失った状態に陥った。突発的な墜落であったことから、予防的措置は取れず、多くの人が直接の被害を受けたと見られる。
空軍の保有機種と整備体制にも関心集まる
今回の墜落を受けて、バングラデシュ空軍が運用するF7訓練機の老朽化や整備状況に注目が集まっている。F7は中国製の旧型機で、近年では一部機体の更新が進められていた。事故後、空軍は運用中の訓練機全体の緊急点検を実施するとしており、今後の対応が注視されている。