長年の日本勤務歴を持つ外交官を任命
ウクライナのゼレンスキー大統領は7月21日、ユーリ・ルトビノフ氏を新たな駐日大使に任命した。ルトビノフ氏は過去に東京の大使館で18年間勤務し、日本語にも精通している。かつては公使参事官として日本との外交に携わり、現地事情にも通じているベテラン外交官である。
大統領府での欧州関連職務にも従事
ルトビノフ氏は2023年以降、大統領府にて欧州統合関連の業務にも携わってきた。ウクライナの欧州連携政策に関与してきた実績は、アジアにおける外交戦略にも応用可能とみられており、今回の駐日任命はその延長線上にあると受け取られている。
駐日大使の空席を4か月ぶりに補充
ウクライナの駐日大使職は、前任のコルスンスキー氏が4月に退任して以降、G7諸国の中で唯一空席のままとなっていた。新たな任命によって、この空白期間がようやく解消されたことになる。外交上の空白が長引いたことは、対日関係の推進において懸念材料となっていた。
16人の大使を同時に新任命
ルトビノフ氏の任命は、ゼレンスキー大統領による一連の外交人事の一環でもある。今回、新たに16人の大使が任命されており、対象にはカナダやスペインへの大使も含まれる。大統領はSNSを通じて、各大使に個別の任務と評価基準を提示したことを明らかにし、成果に対する期待を表明した。
外交刷新で支援強化を狙う政権方針
ウクライナでは先週、スビリデンコ新首相のもと新内閣が発足し、前副首相を駐米大使に任命するなど、外交面での人事刷新が進んでいる。こうした動きは、ロシアによる侵攻の長期化を受けた体制の再構築を意図したものと位置づけられている。日本を含む友好国からの支援獲得を強化する狙いが背景にある。