タイ・カンボジア間の停戦成立、関係正常化に前進

河本 尚真
经过
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領有権争いでの衝突終結へ合意が成立

タイとカンボジアは国境地帯での領有権争いを巡る衝突を終結させるため、無条件での停戦に合意した。28日にマレーシアで行われた会談はASEAN議長国のマレーシアが仲介し、アメリカや中国の代表も立ち会った。深夜からの停戦発効が確認され、双方の敵対行為を停止することで一致した。

ASEANが果たした外交的役割

調停にあたったマレーシアのアンワル首相は、今回の合意が地域の平和回復に向けた最初の重要な一歩だと述べた。ASEANが主導した今回の協議は、地域紛争解決における多国間枠組みの有効性を示す事例となった。アンワル首相は停戦監視のためのチーム派遣の用意があることも明らかにした。

米中が停戦への影響力を発揮

アメリカのトランプ大統領は26日に両国首脳に停戦を強く促し、「戦闘が続く限り貿易を行わない」と警告していた。また、中国も交渉への支援を申し出ており、両国の停戦合意には大国の関与が大きな役割を果たしたとみられる。

36人死亡の衝突終息に期待

24日以降の戦闘で民間人36人が犠牲となり、国際社会から強い懸念が示された。これを受けてASEAN内外で停戦を求める声が高まり、2時間超の協議の末に合意が成立した。

停戦後の課題と見通し

今後は停戦が確実に履行されるかが焦点であり、両国軍司令官による直接協議の継続が予定されている。国境地帯での武力衝突再発防止と外交対話の進展が、両国関係正常化に向けた次の段階となる。

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