NEC、新技術で倉庫ロボットの効率向上を発表

小野寺 佳乃
読了目安: 5 分

NECの発表が示す新たな可能性

NECはAIを活用した自律走行技術の開発を発表し、ロボットによる物流や小売現場での作業効率を大幅に改善できる可能性を示した。移動時間を半減させるこの仕組みは、人手不足が深刻化する日本の産業界に新たな解決策を提示するものとなる。

AIが走行経路生成の課題を解消

ロボットは障害物の多い環境下では経路生成に長い処理時間を必要とし、導入の障壁となっていた。NECは単一のAIにより多数の経路を一括で予測する技術を開発し、これを克服した。従来手法に比べ移動時間を半減させられる点が特徴として示されている。

中小規模施設での利用促進が狙い

大型倉庫と異なり、区画整備が難しい中小規模の倉庫や狭い通路の店舗ではロボット導入が進みにくかった。NECの新技術はこうした制約を軽減し、幅広い業態での自動化推進に寄与すると見込まれている。特に小売業や物流業の現場で大きな効果が期待される。

深刻化する人員不足に技術が効果

国内では労働人口の減少が加速しており、倉庫作業や小売店舗の人員不足が深刻化している。NECの取り組みはこうした社会的課題に応える技術であり、現場の負担軽減と生産性向上の両立に貢献するものとなる。導入が進めば労働環境の改善にもつながるとみられる。

事業化と今後の展望

NECは2026年度中の事業化を目標としており、実用化に向けた検証を進めている。担当者は「環境整備を行わずともロボットを運用可能」と強調し、幅広い分野への普及を視野に入れている。今後の展開が注目される。

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