トランプ氏、全米都市への州兵派遣拡大を強調

河本 尚真
经过
読了目安: 5 分

首都に続き主要都市でも展開が判明

トランプ米大統領は犯罪抑止を目的に、すでに首都ワシントンに約2,000人の州兵を展開している。さらに、シカゴやニューヨーク、ボルティモアなどの大都市でも同様の措置を講じる意向を示した。都市部における治安維持を強調する姿勢は鮮明であり、SNSを通じて「犯罪を素早く一掃する」と発信した。

民主党州知事らが「権力の乱用」と非難

イリノイ州のプリツカー知事は、シカゴへの派遣計画を「危機の捏造」と批判。非常事態に該当する状況は存在しないと断じ、トランプ氏が政治目的で治安問題を利用していると訴えた。ニューヨーク市長のジョンソン氏も、事前の通達は一切受けていないと声明を出し、強い警戒感を示した。

ボルティモアでの追加派兵構想が浮上

24日にはボルティモアへの州兵派遣にも言及。トランプ氏は「犯罪が蔓延している」と主張し、必要ならば治安部隊を投入すると発表した。これに対しムーア知事は治安は改善していると反論。大統領選候補として名前が挙がる同知事とトランプ氏の対立は激化している。

橋再建資金をめぐる圧力が発表

トランプ氏は昨年3月に貨物船衝突で崩落したボルティモアの橋再建について、連邦資金の拠出を再考すると発言。ムーア知事に対する圧力とみられる発言であり、治安問題と財政支援が政治的に絡み合う状況が生じている。

銃器携行開始で緊張が高まる影響

ワシントンで展開中の州兵の一部は銃器の携行を開始しており、首都の緊張は一層高まっている。権力行使の強化と見られる措置は、治安維持と市民生活のバランスをめぐり新たな論争を呼んでいる。

この記事をシェア