中国が戦勝80年で軍備誇示と国際的立場を強調

滝本 梨帆
经过
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記念式典の規模と首脳出席が判明

中国は9月3日、抗日戦争勝利から80年を迎え、北京の天安門広場で大規模な記念式典を実施した。式典には習近平国家主席が主導し、プーチン大統領や金正恩総書記とともに観覧席に並んだ。式典には中国と関係が深い国の首脳らが20か国以上参加した一方で、欧米の多くは首脳級の出席を控えた。中ロ朝首脳が揃った場面は極めて異例とされる。

習主席が演説で示した主張が明確に

演説で習近平主席は「世界は再び平和か戦争かの岐路にある」と述べ、軍事力強化の必要性を強調した。さらに「世界一流の軍隊を建設し、国家の統一と領土の一体性を守る」との言葉で、今後の方針を明確にした。演説は短時間であったが、強い決意を内外に伝える内容となった。

先端兵器の披露が象徴する影響

パレードではICBMやSLBMに加え、極超音速兵器や無人機といった新型装備が次々に公開された。兵士1万人以上が参加した行進とともに、中国は軍事力増強を誇示し、国威を内外に示す狙いを鮮明にした。特に「巨浪3」と呼ばれるSLBMは米本土を射程に収めるとされ、各国の注目を集めた。

市民の反応と国内世論の影響

北京市内ではパレードを視聴した市民から「大国としての力を感じた」「中国が平和を志向する姿を示した」といった声が相次いだ。外国から一時帰国中の男性は「軍事大国と認識され誇らしい」と語り、現地で観覧した市民も「衝撃的で感動した」と述べた。式典は国内世論の結束を高める効果を持ったといえる。

胡錦涛氏欠席と過去の経緯が注目

一方で、歴代の指導者の中で胡錦涛前国家主席の姿は確認されなかった。国営メディアは過去に体調不良を理由と説明したが、今回も欠席が報じられたことで再び注目が集まった。式典には温家宝元首相や王岐山前国家副主席らが出席し、対照的な構図となった。

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