トランプ政権、H-1Bビザ申請に10万ドル義務化

浅川 涼花
经过
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新たな大統領令で申請条件が大幅変更

トランプ大統領は19日、外国人のIT専門人材が利用するH-1Bビザ制度の見直しに署名した。新たな布告では、ビザ申請に10万ドルの支払いを必須とし、既存の申請料に大幅に上乗せされる形となる。これは米国内の労働市場を守る目的とされるが、業界では負担増への懸念が広がっている。

背景に労働者数増加と制度乱用の指摘

米政府によると、科学や技術分野の外国人労働者は2000年の120万人から2019年には250万人へ増加した。トランプ政権はH-1B制度の乱用が米国人の雇用機会を奪ってきたと主張し、今回の措置で入国を制限すると説明している。

IT業界への影響と企業側の不安

H-1B制度に依存してきたIT企業は多く、特にインドや中国出身の労働者に大きく頼ってきた現状がある。米メディアは「業界への打撃は避けられない」と報じており、現地時間19日の株式市場ではアクセンチュアやコグニザントなどの関連銘柄が下落した。企業は人材確保のコスト上昇を受け、採用計画の見直しを迫られる可能性がある。

一部免除規定と追加の規制策

署名された文書には、国家利益に資すると判断される場合には免除が認められる条項も含まれる。また、労働長官には賃金水準の見直しを命じる方針も示され、低賃金での雇用を目的とした制度利用の抑制を狙っている。今後の運用方針次第で、一部企業が回避策を模索する可能性もある。

移民制度改革の新たな局面

今回の決定は、トランプ政権が進めてきた移民制度改革の最新措置にあたる。これまで拡大してきた高度人材ビザの利用に強い制限をかけるもので、米国内外で大きな注目を集めている。今後は人材確保において、企業と政府の間で新たな緊張関係が続くことが予想される。

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