北九州市で拡散した誤情報、市教委が強く否定

嶋田 拓磨
经过
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SNSでの誤情報拡大が判明

北九州市の学校給食に関する投稿がSNS上で急速に広がり、市が「ムスリム専用の給食導入を決めた」との内容が拡散した。19日頃から始まった投稿は急速に注目を集め、24日までの6日間で市教育委員会に寄せられた苦情や抗議は1000件を超えた。電話やメールでの問い合わせが相次ぎ、現場では混乱が生じている。

教育委員会が公式見解を発表

24日に記者会見を開いた市教育委員会は、「ムスリムに特化した給食提供を決定した事実は一切ない」と説明し、誤情報を強く否定した。太田清治教育長は「誤った情報が拡大し困惑している」と述べ、市民の誤解を解くため改めて事実を明らかにした。

陳情と廃案の経緯が判明

誤情報の背景には、2023年にアフガニスタン出身の女性が提出した「豚肉やポークエキスを除外した給食提供を求める陳情」がある。この陳情は市議会で採択されることなく、2025年2月に廃案となっていた。しかし、この経緯が誤って伝わり、「採択された」との誤解が拡散した可能性が指摘されている。

アレルギー対応給食との混同の影響

市は2025年2月、食物アレルギーを持つ児童が給食を楽しめるように28品目を除いた特別メニューを提供開始していた。除去対象の中には豚肉も含まれており、この事実が一部で「ムスリム対応の給食」と誤解され、誤情報の拡散につながったとみられる。

子どもが共に食事できる環境を目指す方針

市教育委員会は今後もできるだけ多くの児童が同じ食事を楽しめるよう献立や調理方法を工夫していく姿勢を強調した。「1人でも多くの子どもが給食を共にできる環境を整える」ことを目標に掲げ、今回の騒動を踏まえ情報発信の在り方についても検討を進める方針を示している。

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