中国海軍「福建」空母 就役間近で地域緊張拡大

小野寺 佳乃
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最新鋭空母の完成度が明らかに

中国国防省は25日、最新鋭空母「福建」の試験と訓練が順調に進んでおり、近く就役する見通しを明らかにした。「福建」は「遼寧」「山東」に続く3隻目の空母で、海軍の戦力強化を象徴する存在となる。張暁剛報道官は就役は「間もなく」と説明し、着実な進展を強調した。

電磁カタパルト試験の成功が報道

今月22日、国営メディアは「福建」が電磁式カタパルトを用いた艦載機発着訓練に初成功したと伝えた。訓練には新型戦闘機「殲35」のほか、早期警戒機や他の航空機が参加し、多様な運用能力が示された。従来型の空母より発艦効率が高まり、実戦での即応性が向上すると評価されている。

南シナ海での活動強化が判明

中国海軍は12日、「福建」が南シナ海へ向かったことを公表した。海域での訓練は、領有権をめぐる対立が続く地域において戦力を示す意味合いを持つ。実際の海域での試験は空母の運用能力を確かめる段階に入り、周辺国への影響も大きいと見られる。

国際社会の警戒感が高まる

「福建」の就役により中国は空母3隻体制を確立する見通しであり、軍事的存在感が一層強まる。特に台湾情勢に直結する要素として、米国や近隣諸国の警戒感は高まっている。海上でのプレゼンス拡大は、地域の緊張を増幅させる可能性が指摘されている。

象徴的な節目の可能性

正式な就役時期は発表されていないものの、建国記念日である国慶節に合わせての発表が有力視されている。中国にとって国家的な節目に軍事力を誇示することは、国内外に強いメッセージを送る狙いがあるとされる。注目は今後の公式発表に集まっている。

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