与党の勝利が示す明確な方向性
モルドバで行われた議会選挙の暫定結果で、与党が50.20%を得票し、EU加盟推進の立場が多数派となった。ロシアとの関係を重視する野党連合は大きく後れを取り、モルドバの進路が欧州寄りであることが改めて浮き彫りになった。
野党の反発と抗議活動の拡大
敗北した野党は「不正が行われた」と主張し、ドドン前大統領らが議会前で抗議集会を主導した。彼らは結果の無効を訴え、国内の分断が深まる様相を見せている。今後も不満が広がれば、政治的不安定を招く可能性がある。
欧州首脳が歓迎の声明を発表
選挙の結果を受け、フランス、ドイツ、ポーランドの首脳は共同声明で、ロシアによる干渉を退けた国民の姿勢を称賛した。さらにフォンデアライエン欧州委員長は「恐怖や分断の試みは失敗した」とし、モルドバのEU加盟を強力に後押しする意向を示した。
ロシアの批判と投票機会の不足指摘
これに対しロシア大統領府は、ロシア国内に住む数十万人のモルドバ国民が投票の機会を奪われたと批判。準備された投票所が2か所のみであったことを問題視し、民意の正当性に疑問を投げかけた。
ウクライナからの支持と地域への波及
ゼレンスキー大統領はSNSで「モルドバの選挙はヨーロッパの勝利を示した」と表明し、ロシアの工作が効果を持たなかったと強調した。モルドバとウクライナは隣国として共にロシアの影響を受けており、今回の選挙結果は地域全体の安全保障に波及する可能性を秘めている。