海洋情勢の共有と連携深化を示す会合が東京で開催
日本とインドネシアは11月17日、東京都内で外務・防衛閣僚協議を行い、海洋安保分野で共同姿勢を固める場となった。中国が東シナ海と南シナ海で力による動きを強める状況を両国が把握し、情勢認識の共有が図られた。会合は4年ぶりとなり、両国間の協議枠組みが改めて機能した形となった。双方は地域情勢を踏まえ、国際法に基づく海洋秩序の維持を確認した。
FOIP推進に向けた協力拡大が重要性を示す構図
日本側は「自由で開かれたインド太平洋」構想を重視し、同構想に基づく協力深化を会議で提示した。インドネシアは全方位的な外交を展開してきた経緯があり、地域バランスを保つ立場を共有した。海上交通の要衝を持つインドネシアは、東アジアから欧州に至る航路の安定維持に関わる重要性を持つ。両国は互いの関心を踏まえ、海洋での連携を強化する必要性を認識した。
装備移転協議の推進と人的交流の枠組みが前進
日本はインドネシアへの防衛装備品移転に関する協議を進めることで方針を一致させた。高速警備艇の供与を含む支援が首脳会談で示されており、今回の協議でも安全保障能力向上の取り組みとして位置づけられた。両国の防衛当局間では人的交流を拡大する方向が確認され、実務レベルでの協力が継続的に進む形が示された。
OSAやODAを通じた支援の確認が現場連携を促進
今年1月の首脳会談で示されたOSAによる支援は、海上警備力の底上げを意識した内容となる。会議ではその進捗を踏まえ、ODAを含めた広範な支援の継続を確認した。日本側はインドネシア海軍の運用能力向上を視野に入れ、現地での装備提供や訓練支援に関する協力を改めて整理した。これにより、両国の実務協力が具体性を伴う形で進行する基盤が整いつつある。
地域安定へ向けた継続的協議の重要性が浮上
今回の協議は包括的・戦略的パートナー関係に基づき開催されたもので、地域安定に果たす役割が明確となった。両国は局地的な緊張に対処するため、情報共有や海洋監視を含む協力の在り方を今後も検討する姿勢を示した。海洋秩序を支える枠組みとしての意義が強まり、継続的な協議が地域全体の安定に寄与する形が期待される。