愛子さま、ラオス晩餐会で両国の絆継承への思いを示す

小野寺 佳乃
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歓迎行事で文化交流の象徴的場面が展開された

天皇皇后両陛下の長女・愛子さまは11月18日夜、ラオス・ビエンチャンで行われた国家副主席主催の晩餐会に出席し、初の外国での挨拶を述べた。日本とラオスの外交関係樹立70周年の節目に合わせて実施された今回の公式訪問では、到着直後から関係者による丁寧な歓迎が続いており、晩餐会はその象徴的な場となった。会場には政府関係者や要人が招かれ、両国の友好の歴史を振り返る機会が設けられた。愛子さまは列席者に向けて丁寧な言葉で謝意を示し、訪問の意義が重ねて確認される場面となった。

伝統儀式に参加し文化に触れた経験を発表

晩餐会に先立ち、愛子さまはラオスの伝統行事「バーシー」の儀式に招かれた。この儀式は祝いの場で幸福や安全を祈るもので、参加者の手首に白い糸を結び、願いを込める習慣がある。愛子さまの手首にも白い糸が結ばれ、祈りを捧げる姿が確認された。儀式を体験することで、古くから受け継がれてきた文化を尊重する姿勢が示され、両国の文化的なつながりを深める機会となった。この体験は晩餐会の挨拶にも反映されており、儀式を通して得た感謝の思いや文化理解が挨拶全体を支えている。

晩餐会で両国関係の長期的発展を願う考えを表明

晩餐会の席上、愛子さまは出席者に対して挨拶を述べ、日本とラオスが互いの理解をさらに深める関係であり続けることを望む意向を示した。挨拶では、両国のつながりが絶え間なく続く風景に例えられ、メコン川の悠久の流れに象徴されるような発展が続くことが願われた。また、ラオス語で感謝の言葉を添え、乾杯を呼びかける場面もあり、会場には温かな雰囲気が広がった。外国での初めての挨拶として、公式行事の場にふさわしい内容となり、出席者の関心を集めた。

交流の歴史に基づく協力の継続が焦点

愛子さまは挨拶の中で、両国の人々が築いてきた交流の積み重ねに触れた。ラオスでは1965年に日本からの協力隊が初めて派遣され、その後多くの隊員が現地の住民と共に教育や医療などの分野で活動してきた歴史がある。また、日本に留学したラオスの若者が母国で活躍している事例も多く紹介され、人的交流が両国を結びつける重要な要素として位置づけられた。東日本大震災の際にラオスから寄せられた支援についても言及があり、深い友誼が互いの助け合いを通じて積み上げられてきたことが強調された。

将来の世代が交流の担い手となる展望を発表

挨拶の締めくくりでは、これまで両国の関係を育んできた人々への感謝が述べられるとともに、次の時代を担う若い世代への期待が示された。愛子さまは、日本文化を学ぶラオスの若者や日本で生活するラオスの人々が安心して活動できる環境が整うことを願い、両国の交流がさらに広がる未来を展望した。長年にわたる協力と友好の歴史が今後の交流を支える基盤であることが改めて確認され、今回の訪問が若い世代の理解と関心を深める契機となることが期待される。

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