航空2社の最新決算結果と今期見通しを公表
ANAホールディングスと日本航空は4月30日、直近の連結決算と今後の業績見通しを明らかにした。両社とも直近の決算では収益が拡大し、増収増益を確保した。一方で、中東情勢の影響による燃料価格の上昇が今後の業績に与える影響が焦点となっている。
ANAは次期の連結純利益について前期比43.2%減の960億円を見込んだ。営業利益も31%減の1500億円とする予想を示しており、燃料費の増加が収益を圧迫する見通しとなっている。
燃料費増加がANA収益に大きな影響
ANAは燃油費の上昇により、営業利益が1400億円程度押し下げられると試算した。中東地域の緊張が続くことで航空燃料価格が高止まりするとの前提を置いており、この影響を業績予想に反映させたとしている。
ただし、燃料価格のヘッジや運賃の調整、コスト削減などを組み合わせることで、最終的な収益への影響は約600億円に抑える計画を示した。燃料価格は4〜6月期が1バレル200ドル、7〜9月期が120ドル、下期は90ドルという想定で算出されている。
運賃調整やコスト削減で影響縮小へ
ANAは燃油価格の変動に対応するため、国際線で徴収する燃油特別付加運賃の反映時期を従来より1カ月前倒しする方針を打ち出した。国内線でも同様の制度導入を検討しており、2027年度中の実施を目指している。
また、国内線については燃料価格のヘッジが大部分で完了しているとし、中東情勢の影響がなければ前年並みの利益水準を確保できるとの見方も示した。燃料供給についても現時点では不足の懸念はなく、減便や運休の予定はないとしている。
JALは需要の底堅さを背景に据え置き
日本航空は、3月に発表した今期の業績予想を維持した。純利益は前期比20.1%減の1100億円とする見通しだが、これは前期に実施した資産売却の反動が主な要因であり、中東情勢による影響は反映していない。
同社は国際線、とりわけ北米路線の需要が安定していると指摘した。さらに、中東地域の空域制限により他国の航空会社が減便する中、欧米とアジアを結ぶルートへの旅客需要が増える可能性も見込んでいる。
航空需要と燃料動向が今後の鍵に
両社とも燃料価格の動向を注視しながら、需要の維持が収益確保の重要な要素になるとの認識を示した。ANAは燃料価格の影響について、年度後半には段階的に改善するとの想定を置いている。
また、日本航空も燃油サーチャージの前倒し対応などにより、燃料費の増加を吸収できるとの考えを示した。航空需要の底堅さと運賃政策の調整が、今後の業績回復を左右する要因として位置づけられている。