ローマ会談で中東安定への対応を協議へ焦点
高市早苗首相は6月15日、イタリアの首都ローマでメローニ首相と首脳会談を行った。会談は1時間余りにわたり、G7サミットを前にした2国間協議として実施された。両首脳は、中東情勢、経済安全保障、先端技術、防衛協力などを取り上げた。
最大の焦点の1つとなったのは、米国とイランが戦闘終結に向けた覚書を交わすことで合意したと明らかにした点である。両首脳はこの動きを歓迎し、合意が実行に移されることの重要性を確認した。中東全体の平和と安定につなげるため、日伊が緊密に連携する方針も共有した。
米イラン合意の実行へ日伊が協調確認
会談後の共同記者会見で、メローニ首相はホルムズ海峡の開放と航行の自由の確保が重要だと述べた。イタリア、英国、ドイツ、フランスの4か国が発表した声明に対し、日本の支持が得られたとの認識も示した。エネルギー輸送の要衝である同海峡をめぐり、日伊の立場は重なった。
高市首相とメローニ首相は、米国とイランの合意が迅速かつ着実に履行されるよう連携することを確認した。中東の安定は、国際経済やエネルギー供給にも関わる課題として扱われた。両国は、G7を含む多国間の枠組みでも協力を進める姿勢を示した。
備蓄と半導体で経済安保の協力を強化へ焦点
経済安全保障では、レアアースなど重要鉱物の安定確保が取り上げられた。両国は、重要鉱物の備蓄や供給網の拡大に向け、協力を強めることで一致した。半導体をはじめとする先端分野でも、両政府の覚書に基づいて取り組みを具体化する方針となった。
高市首相は、G7サミットでエネルギーや重要鉱物の備蓄に関する新たな提案を行う予定である。今回の会談では、その前段としてイタリア側と認識をすり合わせた。重要鉱物は先端産業や安全保障に関わる資源であり、供給網の強化は日伊協力の主要分野となった。
宇宙協力と東アジア情勢も主要な議題へ確認
両首脳は、宇宙分野での協力を盛り込んだ共同声明も発表した。声明には、スペースデブリ対策や衛星データ協力で成果を目指す内容が含まれた。宇宙開発や先端科学技術研究は、両国が協力を広げる分野として位置付けられた。
中国や北朝鮮をめぐる東アジア情勢についても、両首脳は意見を交わした。双方は、地域の課題に対して連携しながら対応する方針を確認した。メローニ首相はロシアのウクライナ侵攻にも触れ、G7サミットではウクライナ支援が主要議題になるとの認識を示した。
G7提案へ向け日伊の協調姿勢を確認へ焦点
防衛分野では、日本、イタリア、英国による次期戦闘機の共同開発計画「GCAP」の加速が確認された。両首脳は、3カ国の枠組みで計画を前進させる方針で一致した。経済安全保障だけでなく、防衛協力でも日伊関係の具体化が進んだ形となった。
高市首相は会談後、G7サミットの開催地であるフランス東部エビアンに入る予定である。ロンドンとローマでの会談を踏まえ、重要鉱物やエネルギー備蓄に関する提案を行う。今回の首脳会談は、中東安定、経済安全保障、防衛、宇宙協力をめぐる日伊の協調をG7前に確認する場となった。