政府が為替介入を辞さない姿勢を強調、円安進行も持続的な押し上げ効果に東京市場で慎重な見方が一段と広がる

市原 陽葵
经过

163円台突入で政府の市場警戒が一段と強まる

22日の外国為替市場では円安が加速し、東京市場で一時1ドル=163円台前半まで下落した。前日のニューヨーク市場では163円24銭を付けており、1986年12月以来となる約39年7カ月ぶりの安値圏に入った。

東京市場の午後5時時点は162円94銭前後で、前日より34銭の円安・ドル高だった。ユーロに対しても円は下落し、同時点で1ユーロ=185円88~92銭となった。

対ドルだけでなく対ユーロでも円の弱さが表れたことで、政府の対応姿勢に市場の関心が集まった。急速な相場変動を受け、円買い介入の可能性も改めて意識された。

財務相と官房長官が相次ぎ今後の対応方針を表明

片山さつき財務相は22日、為替市場の動向に応じ、必要な措置を取る姿勢を示した。木原稔官房長官も同日の記者会見で、政府と日銀が必要な場面で対応する方針を明らかにした。

両氏の発言は、円安の進行を放置しないという政府の立場を市場に伝えるものとなった。具体的な実施時期や方法には触れなかったものの、投資家の間では円買い・ドル売り介入に対する警戒が広がった。

政府と日銀が実際に市場へ入る可能性を意識し、円売りを積み増す動きには一定の慎重さが見られた。高官による相次ぐ発言は、急激な円安を抑えるためのけん制として受け止められた。

為替介入への警戒感が円の急落を一時的に抑制

円は取引中に163円台へ下落したものの、その後は162円台後半へ戻した。政府高官の発言を受け、円をさらに売り進めることへの慎重姿勢が市場参加者の間で強まったためだ。

実際に介入が行われれば、短時間で相場が円高方向へ動く可能性がある。円売りの持ち高を抱える投資家にとっては、政府の行動が大きな変動要因となるため、取引を調整する動きが出た。

163円台前半から162円台後半へ戻した値動きは、介入への警戒が短期的な投資判断に影響したことを示した。政府のけん制は円安基調を反転させなかったが、下落の速度を緩める要素となった。

円安を支える地政学と金利要因はなお継続

政府が対応姿勢を示す一方、円売りにつながる市場環境は残った。米国とイランによる攻撃が続き、中東情勢の悪化に備えてドルを確保する取引が増えた。

原油供給への不安から先物価格が高い水準で推移し、米国の物価上昇への警戒を背景に米長期金利も上昇した。日米の金利差が意識され、金利面で有利なドルを選ぶ動きが円の戻りを限定した。

原油高によって日本の輸入負担が増し、貿易赤字が拡大するとの見方も円売りを促した。政府の発言だけでは解消できない地政学、原油、金利、貿易の各要因が重なり、円は安値圏から大きく離れなかった。

持続的な円高効果を巡り市場に慎重な見方残る

市場関係者からは、政府と日銀が介入に踏み切った場合でも、円高方向への効果は一時的にとどまるとの見方が示された。介入は急激な値動きを抑える手段となる一方、円安を生んでいる市場環境を直接変えるものではない。

中東情勢、原油価格、米長期金利、日米金利差などが変化しなければ、介入後に再び円売りが強まるとの見方につながる。22日の相場でも、政府の警戒姿勢によって下落幅は縮小したが、午後5時時点では前日より円安の水準が続いた。

政府によるけん制発言で円の下落速度はいったん鈍ったが、円高基調が定着するとの見方は広がらなかった。為替介入への警戒感が意識される一方、円を売る複数の要因も残り、相場は歴史的な安値水準で不安定に推移した。

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