イエメン政府が米国に支援要請、フーシ派の勢力拡大で重要海上交通路への懸念強まる中

小野寺 佳乃

要衝周辺でフーシ派が支配地域を広げる動き

イエメンで親イラン武装組織フーシ派が勢力を広げ、国際的に重要な海上交通路を取り巻く情勢が緊迫している。フーシ派は9月、紅海とアデン湾を結ぶバベルマンデブ海峡沿いの要衝を掌握し、周辺地域で影響力を拡大した。海峡は世界の海上輸送に関わる重要地点であり、フーシ派の進出を受けてイエメン政府や周辺国が警戒を強めている。

アリーミー大統領がトランプ氏に協力要請

トランプ米大統領は20日、イエメンのアリーミー大統領と電話で会談し、フーシ派による最近の軍事的な動きを巡って意見を交わした。事情を知る関係者によると、アリーミー氏はフーシ派との戦闘を続ける政府側への米国の支援を求めた。特にバベルマンデブ海峡周辺でフーシ派が優勢となる中、政府側にとって米国からどの程度の支援を得られるかが焦点となっている。

米大統領は直接的な軍事支援を確約せず

イエメン側からの要請に対し、トランプ氏は軍事支援を明確に約束しなかったと複数の関係者が明らかにしている。ホワイトハウスとイエメン政府の情報当局は、ロイターからのコメント要請に直ちには回答しなかった。米国はフーシ派をテロ組織に指定している一方、トランプ氏は同派との間で接触が続いていることも明らかにしている。軍事的な対抗措置だけでなく、直接の衝突を避ける要素も米側の対応に含まれている。

サウジへの攻撃拡大で周辺国にも圧力強まる

フーシ派は19日、サウジアラビアの首都リヤドなどに向けて無人機や弾道ミサイルを発射したと発表した。サウジ当局はリヤドに向けられた弾道ミサイルを迎撃したと説明しており、首都周辺では爆発音や煙も確認されたと報じられた。イエメン国内だけにとどまらず、サウジ領内の重要施設にまで攻撃範囲が広がったことで、双方の衝突は国境を越えた安全保障問題となっている。

米国の関与限定と海上交通路の動向に注目

トランプ氏はサウジアラビアからフーシ派への軍事対応を求められた後、米軍による空爆準備を進めたと報じられたが、攻撃開始前に実施を見送ったとされる。また、イエメン政府からの新たな要請に対しても、直接的な軍事協力を確約していない。フーシ派側は米国船舶を標的にしない意向を示している一方、バベルマンデブ海峡周辺での勢力拡大は続いている。重要航路を抱える地域で対立が深まる中、米国がどこまで関与するかが今後の情勢を左右する要素となっている。

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