ワールドとTSIが経営統合、売上高4000億円超で国内アパレル業界3位へ浮上

小野寺 佳乃

アパレル大手2社が2027年3月の経営統合を発表

衣料品大手のワールドとTSIホールディングスは10月14日、2027年3月に経営を一本化すると発表した。新たに共同持ち株会社を立ち上げ、両社がその傘下に入る方式を採用する。国内の衣料品市場で競争が厳しさを増すなか、事業規模を拡大するとともに、経営資源を集約する方針だ。

両社の年間売上高を合算すると4000億円を上回る。統合後は、ユニクロを展開するファーストリテイリングとしまむらに続き、国内アパレル業界で3番目の売上規模となる見通しだ。

今回の発表では、新会社の名称や経営陣の人事も明らかになった。経営基盤を共通化することで、個別に運営してきた事業の効率を高めることが統合の主な目的となる。

新会社インフィニティ・ユナイテッドの経営体制

共同持ち株会社の名称は「インフィニティ・ユナイテッド」とし、本社を東京都内に設置する。ワールドとTSIホールディングスは、この新会社の傘下で事業を継続する形となる。

新会社の社長には、現在ワールドを率いる鈴木信輝氏が就任する。一方、会長にはTSIホールディングスの社長CEOを務める下地毅氏が就く。両社の経営トップが、それぞれ新たな持ち株会社の主要役職を担う体制だ。

2027年3月の統合に向け、共同持ち株会社の設立が予定されている。2社を傘下に置くことで、経営管理の枠組みを共通化し、従来の会社単位で行ってきた事業運営を新たな体制へ移行する。

統合後の売上規模は4000億円超で業界3位へ

今回の再編で注目されるのが、両社を合わせた事業規模だ。ワールドとTSIホールディングスの売上高は合計4000億円を超え、国内衣料品業界の上位企業に位置付けられる。

売上規模の順位では、ファーストリテイリングが首位、しまむらが2位となっている。両社の統合が実現すれば、これらに続く3位の企業グループが誕生する見込みだ。

TSIホールディングスは「FREAK’S STORE」などを運営する企業として知られる。今回の経営統合では、個々の企業が持つ事業を共同持ち株会社のもとに集めることで、国内市場における事業基盤を拡大する。

人口減少と円安による費用増が業界再編の背景

国内のアパレル市場は、少子高齢化や人口減少の影響を受け、成長が鈍化している。衣料品を販売する企業にとって、国内需要の伸び悩みは経営上の課題となっている。

さらに、円安に伴う仕入れ価格の上昇も収益を圧迫する要因だ。商品の調達に必要な費用が増加する一方、国内市場では企業間の競争が激しくなっている。

こうした環境を受け、ワールドとTSIホールディングスは経営を統合することで、費用負担を抑えながら事業運営を改善する方針を示した。単独での事業運営から、共通の経営基盤を活用する方式へと転換する。

配送網と販売システムの共通化で経営効率を改善

統合後の具体的な取り組みとして、商品の配送体制やECサイト、業務システムの集約が挙げられている。これまで両社がそれぞれ運用してきた機能をまとめ、重複する費用を減らすことが狙いだ。

配送業務の一体化に加え、オンライン販売に関連する仕組みを共通化することで、運営面の効率向上を進める。経営統合は売上規模の拡大だけでなく、日常的な事業活動にかかる費用の見直しにも重点を置いている。

2027年3月に予定される新会社の発足により、売上高4000億円超の国内アパレル大手グループが形成される。ワールドとTSIホールディングスは、厳しい市場環境に対応するため、共同の経営体制のもとでコスト削減と事業効率化を進める。

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