GMO株が15%超急落、不正アクセス被害拡大でセキュリティー管理と経営責任に注目集まる

河本 尚真
经过

サイバー被害を受けたGMO株に売り注文が集中

10月26日の東京株式市場で、GMOインターネットグループの株価が前週末の終値から15%余り下落した。投資家向けクラウドサービスで発生した大規模な不正アクセスを受け、売り注文が膨らんだ。

同社はインターネット関連事業に加え、セキュリティー分野のサービスも手がけている。今回、自社のサービスで情報流出や不正取引が確認されたことで、今後の事業展開に対する懸念が株価に反映された。

市場では、相次ぐサイバー攻撃によって企業経営に生じる損失や信用への影響が重視されている。今回の株価下落も、情報管理上の問題に対する投資家の警戒を示す動きとなった。

自動売買用サーバーへの侵入で顧客資産に影響

被害が発生したのは、FXなどの金融取引を自動化するために利用されるクラウドサーバーである。

10月19日に利用者から異常を知らせる問い合わせがあり、GMOが内部調査に着手した。20日には一部のサーバーから不正なプログラムが見つかり、翌21日から関連するサーバーの停止措置を順次進めた。

調査では、顧客の情報が外部に持ち出されたほか、一部の取引口座で利用者の意思に基づかない操作が行われていたことが確認された。

同社によると、影響を受けた可能性のあるサーバーは2万6000件余りに上る。取引口座の認証情報などが第三者に閲覧された可能性も判明している。

社内専門家の指摘を受けながら改善対応に遅れ

今回の問題では、サイバー攻撃を受ける前の社内対応についても説明が行われた。

熊谷正寿社長は10月25日、自身のブログで、社内のホワイトハッカーがセキュリティー上の改善課題を事前に現場へ伝えていたことを明らかにした。

しかし、サービスの稼働を維持する必要性や他の業務との優先順位を考慮した結果、対策の実施が十分ではなかったという。

熊谷社長は、専門人材を抱えていながら、その知見を組織全体の防御体制に十分反映できなかったことを反省していると説明した。事前に把握していた課題への対応が、今回の問題で重要な焦点となっている。

巨額の支払い要求と被害補償への対応を公表

10月26日には、攻撃者が当初5000万ドル(約80億円)を要求していたことも公表された。

指定されていた期限は21日午後5時で、支払いにはビットコインやイーサリアムなどの暗号資産を使用するよう求められていた。

その後、攻撃者とみられる集団は要求額を100万ドル(約1億5700万円)とし、期限を27日正午に設定した。支払いがなければ顧客情報の公開やパソコンへの攻撃を行うと警告している。

GMOは支払いを一切行っていないと説明している。一方、利用者への救済策として、一律5000円の見舞い金と、不正アクセスによる損失の補償を実施する方針を発表した。

政府への緊急要請と企業の防御体制が焦点に

GMOは10月24日、政府に対して能動的サイバー防御の適用を緊急に求めた。

同社は、国境を越えて活動するサイバー犯罪集団による資産の被害を、民間事業者だけで防ぐことは困難だと説明している。熊谷社長も25日のブログで、国民の資産や情報が危険にさらされている現状を踏まえ、制度の適用可能性を検討するよう訴えた。

利用者に対しては、端末のウイルス検査やデータのバックアップを求める緊急案内を出している。警察への相談も22日に行われた。

今回の問題では、顧客情報の流出と金融取引への影響に加え、社内で把握していたリスクへの対応不足が明らかになった。株価の大幅下落を伴う事態となり、同社のセキュリティー管理体制と利用者への補償対応が重要な課題となっている。

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