トランプ大統領が中間選挙前の遊説を終了、与野党の対立激化と投票監視の強化が焦点に

小野寺 佳乃

トランプ大統領が中西部で最後の選挙演説を実施

11月3日の米中間選挙を前に、トランプ大統領は1日、アイオワ州とカンザス州で共和党候補への支持を呼びかけた。これにより、約1か月にわたって計30回実施した各地での遊説を締めくくった。

特にカンザス州では、従来の政治情勢と異なる激しい競争が伝えられている。トランプ氏は税負担の軽減、犯罪対策、地域経済の成長を掲げ、共和党への投票が政策実現につながると強調した。

今回の選挙は大統領任期の折り返しに当たり、政権に対する有権者の評価が議会の議席構成に反映される。上下両院の多数派が変われば、今後2年間の法案や予算を巡る政治交渉にも影響が及ぶ。

民主党は歴代大統領を投入し政権批判を強化

共和党の選挙活動に対抗し、民主党はオバマ元大統領とクリントン元大統領を各地の応援演説に起用した。選挙戦の終盤では、生活費の上昇やイランを巡る情勢などを取り上げ、現政権の対応を問題視している。

下院では民主党が多数派を取り戻すことを目指し、上院でも両党の議席争いが続く。選挙分析では、下院は民主党が過半数を狙える情勢となり、上院についても多数派の行方が競争の焦点となっている。

共和党が議会の支配を継続すれば、政権は現在の議会基盤を維持する。一方、民主党が一方の院でも主導権を握れば、政府提出法案や歳出計画の審議において政権との対立が強まる構図となる。

オハイオ州で投票者が増加し政治的な関心が高まる

接戦州のオハイオでは11月1日に期日前投票の最終日を迎え、州都コロンバスの投票所には多数の有権者が集まった。

10月31日までに投票所で事前に投票した人は98万人を超え、2022年の中間選挙における期日前投票期間全体の実績を約80%上回った。州内では上院議員選挙と知事選挙がともに競争の激しい状況にある。

投票に訪れた人々の意見は分かれている。中東での戦闘や政権の政策に反対する有権者がいる一方、トランプ大統領の取り組みを評価し、共和党への支持を維持する人もいた。政治の変化を求める声と現政権を支持する立場が、投票所でも対照的に表れている。

選挙不正対策を巡り連邦政府と野党が対立

選挙の運営方法も与野党間の主要な対立点となっている。トランプ大統領は外国からの干渉や有権者登録の不正、投開票システムの改ざんなどへの対応を求めてきた。

10月26日には、不正行為に関する情報が逮捕や有罪判決につながった場合、情報提供者に100万ドル、約1億5700万円を支払う方針を示した。司法省も約1000人の選挙監視要員を配置すると発表している。

これに対して民主党は、連邦政府の関与が選挙への不当な介入につながるとして反発した。接戦が予想される複数の州に100人以上の党関係者を派遣し、投票や開票の状況を確認する態勢を整えている。

市民団体も監視を拡大し投票権の保障に注目

政府と政党だけでなく、市民団体も選挙の監視活動を広げている。無党派を掲げる団体などは数万人規模のボランティアを育成し、投票から集計、結果の確定までを確認する活動を進めている。

オハイオ州では、期日前投票の会場に市民団体の関係者約10人が訪れ、有権者への妨害行為や連邦政府職員による接触の有無を調べた。

カリフォルニア州コスタメサでは10月23日、ヒスパニック系有権者約30人を対象に、投票時の威圧行為への対処を説明する集会が開かれた。参加者からは移民当局の存在や郵便投票の有効性について質問が出され、主催者は市民権を持つ人の投票権が保障されていることを説明した。

投票参加が拡大する今回の選挙では、議会の勢力争いに加え、有権者が安全に投票できる環境と選挙手続きの公正性が重要な論点となっている。

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