韓国政府が慎重姿勢を表明
トランプ米大統領がホルムズ海峡への艦船派遣を同盟国に求めたことを受け、韓国大統領府は3月15日、米韓間で緊密に意思疎通しながら慎重に検討して判断するとの立場を示した。韓国側は即答を避け、情勢の推移を見極める構えを取っている。
報道では、大統領府関係者が中東情勢と関係国の動向を注視していると説明した。さらに、国民保護とエネルギー輸送路の安全確保に向け、複数の対応策を幅広く検討しているとされ、現段階では原則論にとどめている。
日本の判断が比較対象に浮上
韓国メディアでは、対応を決める際に日本の動きが重要な参考材料になるとの見方が示された。CBSニュースは、日本の対応が自国にとっても重要な基準になると伝え、東京の判断に関心が集まっている現状を映し出した。
日本では高市首相が3月16日の参院予算委員会で、現時点で正式な要請は受けていないと述べた一方、必要な対応方法を検討していると説明した。国内法に照らして独自に判断する方針も示し、機雷除去や船舶防護、情報収集範囲の拡大などについて、可能な対応と困難な対応を仕分けていると述べた。
米国は同盟国に広く協力要請
トランプ大統領は15日、ホルムズ海峡の警備をめぐって7カ国と協議中だと明らかにした。中国、フランス、日本、韓国、英国などの参加を期待しているとも発信し、主要国の協力による連携構想を打ち出した。
また、中国が同海峡経由で多くの石油を調達しているとして、北京も協力すべきだとの考えを示した。NATO加盟国に対しても、航行再開への協力がなければ厳しい将来に直面すると警告し、問題を中東地域に限らない国際経済の課題として訴えている。
韓国国内では懸念の声も拡大
韓国国内では、派遣に慎重であるべきだとの論調も強まっている。ハンギョレは3月16日付の社説で、海峡派遣はイランの標的となる危険を高めるとして、トランプ氏の要求を強く批判した。
同紙は、北朝鮮問題を抱える韓国にとって米国との良好な関係維持は重要だとしながらも、ホルムズ海峡への艦船投入は韓国軍と国家全体を新たな危険にさらすと警戒した。対米協調と安全保障上の負担の間で、韓国社会の緊張が表れている。
各国対応の違いが今後の焦点
オーストラリアも3月16日、艦艇派遣の予定はないと表明した。海峡の重要性は認めながらも、要請を受けておらず関与もしていないと説明しており、すぐに軍事行動へ移る姿勢は見せていない。
一方で、英国のスターマー首相はトランプ大統領と海上輸送の混乱解消について協議し、カナダのカーニー首相とも海峡閉鎖の影響を話し合った。欧州連合も中東での小規模な海軍任務強化を協議するが、ホルムズ海峡まで任務を広げる決定は見送る見通しだ。各国は航行の安定確保を重視しながらも、関与の度合いでは温度差を残している。