原油高と米金利上昇が重荷、米株市場でハイテク株に売り広がる

小野寺 佳乃

中東情勢が市場心理を左右

18日のニューヨーク市場では、中東情勢を巡る不透明感が複数の資産価格に影響した。イラン戦争に伴う供給混乱への警戒が強まり、原油価格は不安定な値動きの中で上昇した。市場では、エネルギー価格の高止まりが物価上昇圧力につながるとの見方が広がった。

米政権の対応も投資家心理を左右した。トランプ米大統領がイランに対し、米国の和平提案に早期に応じるべきだと警告したことが、地政学リスクへの意識を高めた。取引終了後には、19日に予定されていたイランへの軍事攻撃を延期すると明らかにし、原油相場は上げ幅を縮小した。

原油先物が2週間ぶり高値

原油先物は、供給途絶への懸念を背景に大きく上昇した。北海ブレント先物7月限は2.84USドル高の1バレル=112.10USドル、米WTI先物は3.24USドル高の1バレル=108.66USドルで清算された。いずれも終値ベースで直近2週間程度の高値となった。

一方、米国が協議中にイラン産原油への制裁措置を免除することで合意したとの報道もあり、相場は一方向には動かなかった。ただ、供給不安が緩和材料を上回ったため、原油価格は高水準を維持した。エネルギー価格の上昇は、インフレ警戒を通じて金融市場全体に波及した。

米国債利回りは高水準に上昇

米債券市場では、長期金利が夜間取引で大きく上昇した。指標となる10年物米国債利回りは一時4.659%を付け、2025年2月以来の水準に達した。その後は上昇分を縮め、終盤には4.591%で横ばいとなった。

30年物米国債利回りも序盤に1年以上ぶりの高水準を付けた後、終盤には5.126%まで低下した。2年債と10年債の利回り格差は52.66ベーシスポイントだった。原油高によるインフレ圧力が意識され、米連邦準備理事会の金融政策を巡る見方にも影響が出た。

ナスダック続落で半導体株が軟調

米株式市場では、主要3指数がまちまちとなった。NYダウは前週末比159.95ドル高の4万9686.12ドルと反発した。主力株の一角に買い戻しが入り、長期金利の上昇が一服したことも支えとなった。

一方、ナスダック総合指数は134.42ポイント安の2万6090.73と続落した。テスラやエヌビディアが売られ、マイクロンやシーゲイト・テクノロジー・ホールディングスも下値を探る展開となった。金利上昇は、将来の成長期待が株価に反映されやすいハイテク株や半導体株の重荷となった。

ドル小幅安も警戒感残る展開

外国為替市場では、ドルが大半の主要通貨に対して小幅に下落した。主要通貨に対するドル指数は0.14%安の99.13となった。前週は米債利回りの急上昇を背景にドルが上昇していたが、この日は上昇の勢いが一服した。

金先物はドル安を支えに底堅く推移したが、債券利回りと原油価格の上昇が上値を抑えた。米市場では、原油、金利、株式、為替が相互に影響し合う展開となった。中東情勢とインフレ懸念が、当面の市場判断を左右する重要な材料として意識された。

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