AI関連サービスの拡大が業績成長をけん引
アルファベットが発表した2026年4~6月期決算では、企業のAI利用拡大が事業成長の主要な原動力となった。売上高は前年同期から24%増え、1197億9600万ドルを記録した。クラウド、検索、動画広告の各部門が増収となり、複数の事業が全体の成長を支えた。
最終的な純利益は1121億700万ドルで、前年同期のおよそ4倍に達した。日本円換算では約18兆3000億円となる。投資先企業の株式価値が上昇した影響が大きい一方、AIに関連するサービスへの需要増加も本業の収益拡大に寄与した。
クラウド部門が前年同期比82%の増収
クラウド事業の売上高は247億6800万ドルとなり、前年同期から82%増加した。企業がAIモデルを開発、運用するためのコンピューティング環境を積極的に利用したことが、急速な成長をもたらした。アルファベットの主要部門の中でも、特に高い増加率を示した。
生成AIを業務へ組み込むには、データの処理や保存に対応する大規模なインフラが欠かせない。アルファベットはクラウドを通じ、企業向けに必要な計算資源やAI関連機能を提供している。こうしたサービスの利用が増え、クラウドは同社の収益構造を支える重要な部門へ成長している。
AI機能を導入した検索広告も増収を確保
検索関連広告の売上高は632億7100万ドルとなり、前年同期比で17%増加した。グーグルは検索サービスに対話型AIや回答の要点をまとめる機能を加えている。検索方法が変化する中でも、主力の広告収入は堅調な伸びを維持した。
ユーチューブから得た広告収入は110億5500万ドルで、前年同期から13%増えた。検索と動画の両分野が成長したことで、広告事業は引き続き全社売上高の柱となった。AIを活用した新機能の展開と、既存の広告収益を両立させた四半期となった。
投資先企業の価値上昇で最終利益が急拡大
純利益を大幅に増加させたもう一つの要因が、保有する株式から生じた利益だった。投資収益は最終利益を771億ドル押し上げ、営業外の利益は979億ドルに達した。前年同期との比較では約37倍に拡大している。
アルファベットは宇宙開発企業スペースXの株式を保有しており、同社が6月に上場したことで株式の評価額が上昇した。AI企業アンソロピックについても、4月に追加出資を発表している。同社の企業価値が高まったことも、アルファベットが保有する資産の価値増加につながった。
設備投資計画を引き上げAI供給能力を増強
アルファベットはAIサービスの需要増加を踏まえ、データセンターなどへの支出をさらに増やす。2026年通期の設備投資計画は1950億~2050億ドルとなり、従来の見通しから150億ドル上積みされた。計算処理能力を拡大し、クラウドやAI製品の利用増加に備える。
AI関連設備への巨額投資は短期的な需要への対応にとどまらず、同社の各事業を支える共通基盤となる。クラウドの急成長に加え、検索やユーチューブの広告収入も増え、AI活用が幅広い事業へ及んだ。アルファベットはインフラへの投資を強め、拡大する企業需要を継続的に取り込む方針を鮮明にした。