ANAとJALの中間決算、旅客需要拡大で売上最高も燃料費高騰により両社減益

河本 尚真
经过

航空大手2社の中間決算で鮮明になった収益構造の変化

ANAホールディングスと日本航空の2026年4〜9月期の連結業績が11月2日までに明らかになった。海外から日本を訪れる旅行者の増加などを受け、両社の売上高は前年同期を上回った。しかし、航空機の運航に必要な燃料の調達費用が大きく増えたため、利益面では前年を下回る結果となった。

売上高はANAHDが1兆3987億円、JALが1兆989億円に達した。いずれも中間期の売上高として過去最高の水準となった一方、最終利益はANAHDが670億円、JALが390億円に減少している。

航空需要の拡大が収入増加につながる半面、運航費用の増大によって利益が伸び悩む状況が、両社の決算数値に表れた。

国際線の利用増加と貨物輸送が売上高を押し上げ

ANAHDの売上高は前年同期から17.5%増加し、9月中間期の最高記録を更新した。国際旅客輸送が収益拡大に寄与したほか、航空貨物部門でも需要を取り込んだ。特に半導体関連の貨物は輸送単価が高く、国際貨物事業の業績を支える要因となった。

JALの売上高も前年同期比11.7%増加し、2012年の株式再上場以降、中間期として最大となった。国際線の旅客収入は16%増加しており、海外からの利用者による需要が業績を後押しした。

国内線でも乗客1人当たりの収入が増加した。さらに、金融関連を含む航空輸送以外の事業も安定した収益を確保し、グループ全体の売上高拡大に貢献している。

中東情勢に伴う燃料価格上昇が利益を大幅に圧迫

増収にもかかわらず利益が減少した背景には、航空燃料の調達価格の上昇がある。中東地域の情勢が悪化したことで燃料価格が高騰し、航空会社の費用負担が増加した。

JALの燃油費は前年同期比47.4%増の2856億円となった。円安による支出増加も加わり、最終利益は前年同期から42.2%減少した。売上高が1割以上伸びたにもかかわらず、費用の増加が利益を押し下げた形だ。

ANAHDでも営業利益が9.7%減の881億円にとどまった。最終利益は11.8%減の670億円だった。両社の減益幅には違いがあるものの、航空需要の拡大だけでは燃料関連費用の増加を補いきれなかった。

通期業績予想ではANAが一部上方修正しJALは維持

2027年3月期の業績見通しについて、ANAHDは売上高の予想を従来から1000億円引き上げ、2兆8700億円とした。旅客輸送や貨物事業などの収入増加を反映した修正となる。

一方、営業利益の見通しは変更しなかった。燃料価格の上昇による負担を織り込んだためだ。純利益については政策保有株式の売却益などを考慮し、従来予想より30億円多い990億円に引き上げた。ただし、この金額は前期実績と比べると41.4%の減少に当たる。

JALは年間の業績予想を変更していない。11月2日に記者会見した鳥取三津子社長は、燃料価格の上昇が事業運営に大きな負担を与えているとの認識を示した。

燃料費支援の終了で下半期の費用負担が焦点に

航空会社の経営環境を巡っては、政府が実施していた国際線向けの燃料価格高騰対策が2026年9月末で終了した。これにより、下半期の収益を考える上では燃料の調達費用が引き続き重要な要素となる。

今回の決算では、訪日旅行者の利用拡大により航空輸送の収入が増加したことが確認された。一方で、燃料費の上昇と為替変動が利益に与える影響も数字として示されている。

ANAHDとJALはともに中間期の売上高で最高水準を記録したが、利益の推移には厳しさが残った。今後は旅客需要による収入を維持しながら、燃料価格の変動に伴う費用をどの程度吸収できるかが、年間業績を左右する主要な課題となる。

この記事をシェア