フラット35の金利が4か月ぶりに低下へ転換
住宅金融支援機構が2026年11月2日に公表した長期固定型住宅ローン「フラット35」の適用金利は、返済期間によって異なる動きを示した。住宅価格に対する借入額の割合が90%以下で、返済期間を21年以上35年以下とする場合、最も低い金利は年3.81%となった。
前月の水準から0.02ポイント下がり、7月以来の低下となる。10月までは3か月続けて、2017年10月以降の比較可能な期間で最高値を塗り替えていた。
今回の改定によって上昇がいったん途切れたものの、金利自体は3%台後半に位置している。借入期間の違いによって適用される水準にも開きが生じている。
返済期間20年以下も金利低下の対象に
借入期間を20年以内に設定した場合も、11月の最低金利は前月を下回った。新たな水準は年3.49%で、10月から0.02ポイントの引き下げとなっている。
21年以上35年以下の借入と同じ幅で低下したが、適用される金利には0.32ポイントの差がある。フラット35では、返済期間の区分によって異なる金利が設定される仕組みとなっている。
住宅金融支援機構は、今回の金利変更について、最近の長期金利の低下が反映されたと説明した。固定型住宅ローンの金利設定には、国債市場における利回りの変動が関係している。
36年以上の長期借入では最高水準を更新
一方、返済期間が36年以上のフラット35では、ほかの期間区分と反対の動きが確認された。11月の最低金利は年4.11%となり、前月から0.01ポイント上昇した。
この区分では、2017年10月以降の比較可能な記録で最高水準を4か月連続で更新している。21年以上35年以下の最低金利と比較すると、0.30ポイント高い。
同じ長期固定型の商品であっても、返済期間によって金利の方向が一致していない点が特徴だ。今回の改定では、35年以下の区分で低下する一方、36年以上では上昇が継続した。
10年固定型では銀行ごとの改定方針に差
11月の住宅ローン市場では、10年固定型についても金融機関の対応が分かれた。主要13銀行を対象とした調査では、7行が金利を引き下げ、5行が引き上げを実施している。
新規借入向け商品のうち、みずほ銀行は年3.400%となり、前月から0.200ポイント低下した。りそな銀行も0.140ポイント引き下げ、年4.065%としている。
これに対し、SBI新生銀行は0.250ポイント上昇の年3.650%、三菱UFJ銀行は0.140ポイント上昇の年3.890%となった。PayPay銀行も年3.570%へ引き上げており、同じ固定期間でも改定方向は統一されていない。
長期金利の変化が住宅ローン市場に反映
住宅ローンの固定金利は、長期国債の利回りを参考に設定される場合が多い。2026年に入ってから長期金利には上昇傾向がみられ、6月には31年ぶりの高水準に達した。
日本銀行による国債買い入れの縮小や政策金利の引き上げも、金利環境の変化に関係している。こうした状況の中で、11月はフラット35の一部区分に低下が生じた。
ただし、36年以上の借入では最高水準の更新が続き、10年固定型でも金融機関による差が残る。住宅ローン金利の動向は、借入期間と商品区分によって異なる状況となっている。