中間層形成を柱とした政策提言の公表
経団連は2026年4月13日、税制や社会保障制度の見直しに関する包括的な提案をまとめ、公表した。提言の中心には、現役世代の負担軽減を通じて安定した中間層を形成する必要性が据えられた。
人口減少や出生数の低下が続くなか、社会保険料や税の負担が若年世代の生活設計に影響しているとの認識が示された。結婚や出産の選択に影響を及ぼす要因の一つとして、現役世代の負担水準が指摘されている。
簡易型制度の前倒し実施を提案
提言では、給付付き税額控除を早期に開始する方針が明確に示された。従来の制度整備を待つのではなく、まずは簡素な制度として開始し、その後段階的に内容を拡充する方法が有効とされた。
この制度は所得に応じて給付を行う仕組みであり、低所得から中所得層の支援を目的としている。経団連の関係者は、負担能力に応じた公平な制度設計が重要との考えを示し、所得や資産情報の正確な把握が制度の前提になると説明した。
個人情報連携の強化が制度運用の鍵
制度の実効性を高めるためには、個人情報の連携体制が不可欠とされている。具体的には、個人番号制度と金融機関の口座情報の結び付けを義務化する必要性が指摘された。
所得や資産の状況を迅速に把握できる環境が整えば、給付の対象や金額を適切に判断できるとされる。こうした情報基盤の整備は、本格導入に向けた重要な前提条件と位置付けられている。
減税措置との関係と財源確保の課題
飲食料品に対する消費税の減税については、慎重な姿勢が示された。税率を引き下げる場合には、社会保障制度の維持や市場の信頼確保の観点から、代替財源の確保が不可欠とされた。
給付付き税額控除の導入には年間約5兆円の財源が必要とされており、財源が不明確なまま政策を実施すれば、金利の上昇など財政面の影響が生じる可能性があると指摘された。
財政監視体制の強化と制度改革の方向
提言では、財政政策の透明性を高める仕組みとして、国会に独立した財政監視機関を設置する案も盛り込まれた。この機関は、財政運営の実績や将来見通しを継続的に分析する役割を担うことが想定されている。
さらに、社会保障制度の持続性を確保するため、負担能力の高い層に対する負担の見直しも議論の対象として挙げられた。これらの方策は、長期的な財政健全化と制度の安定運用を目指す取り組みの一環とされている。