食品値上げ秋まで継続へ、円安と中東情勢がコスト押し上げ、スーパーの販売戦略を大きく左右する局面続く見通しに注目

小野寺 佳乃

秋まで続く食品値上げの流れが一段と鮮明に

食品の価格改定は7月以降も続く見通しとなっている。帝国データバンクによると、7月に値上げされる食品は2566品目で、2000品目を上回るのは3か月ぶりである。さらに9月の値上げ予定はすでに3000品目を超えており、2026年で最も多くなる見込みだ。調査会社は、企業による価格転嫁の動きが秋ごろまで続くとみている。

原材料高と物流費が主な押し上げ要因に浮上

値上げの理由として最も多かったのは原材料高で、回答した企業の92.5%が挙げた。物流費は71.9%、包装・資材は69.8%で、食品の製造から配送まで幅広い段階でコストが増している。5月の調査から加わった中東情勢も24.7%となり、包装資材やエネルギー費の上昇に影響している。円安による輸入コストの増加もあり、企業が価格に反映する動きは続いている。

スーパーが強める節約志向への対応策が焦点

首都圏で店舗を展開する東武ストアでは、食品価格の上昇が続く中で消費者の節約意識に対応している。東京や埼玉などに50店余りを持つ同社は、一部の野菜や加工食品について対象を入れ替えながら値下げ販売を実施している。メーカー側からはチョコレートや納豆を中心に値上げの連絡が増えている。チョコレートでは前年同期と比べて2割程度高くなった商品もある。

まとめ買い需要を取り込む販売策がさらに拡大

冷蔵が必要な豆腐やチーズなどの加工食品では、前年同期と比べて値上げされた商品の数が7割程度増えたという。こうした状況を受け、スーパーではまとめ買いによる割安感を打ち出す販売策を増やしている。お茶やコーヒーなどの飲料に加え、総菜でも複数購入時の価格を抑える取り組みを強化している。必要なものを絞って買う消費者が増える中、店舗側は価格に敏感な需要を取り込む対応を進めている。

価格転嫁と消費行動の変化が今後の焦点に

食品値上げは、メーカーの価格改定だけでなく、小売りの売り方にも影響を及ぼしている。加工食品は5780品目、調味料は3467品目が11月までの値上げ予定に含まれ、幅広い分野で負担増が続く構図だ。中東情勢や円安によるコスト上昇が重なり、消費者の節約志向は一段と強まっている。今後は企業の価格転嫁と、スーパーによる販売施策の両面が食品市場の焦点となる。

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