比例代表のみの削減案に野党5党が一斉反発
衆院議員の定数削減をめぐり、野党側が与党への対決姿勢を強めている。自民党と日本維新の会が提出した法案は、与野党協議で1年以内に結論が得られなかった場合、比例代表だけで45議席を削る内容である。野党各党は、比例代表のみを対象とする削減は認められないとして、審議入りそのものに反対している。
中道改革連合、国民民主党、参政党、チームみらい、共産党の5党は、森衆院議長と面会し、強引な審議を認めないよう求めた。野党側は、数の力で比例削減を進める姿勢を問題視している。国会の会期末が近づく中、定数削減法案は与野党対立の中心となっている。
衆院議長への申し入れで野党が阻止姿勢を明確化
野党側は、定数削減法案の審議入りを阻止する構えを明確にしている。与党は6月25日、特別委員会で速やかに審議したいと提案したが、野党はこれに応じなかった。さらに6月29日には、野党欠席のまま衆院で審議入りが進められ、反発は一段と強まった。
自民党の村井英樹氏は、定数削減が自民・維新両党の衆院選公約であり、国民の信を得ているとして、早期審議を求めた。これに対し、野党側は合意形成を欠いたまま審議を進めることを問題視している。比例代表の扱いをめぐる認識の違いが、国会審議全体の停滞につながっている。
皇室典範改正案にも広がる審議停滞の重大影響
定数削減法案をめぐる対立は、ほかの重要法案にも影響を及ぼしている。国民民主党の玉木雄一郎代表は、強引に法案審議を進めれば、静かな環境が崩れ、皇族数確保に関する法案の成立も危うくなると述べた。野党側は、皇室典範改正案のような重要案件こそ丁寧な合意形成が必要だとしている。
高市政権側にとっても、未成立の政府提出法案が17本残る状況は大きな課題である。会期末までの時間が限られる中、野党の審議拒否が続けば、政府法案の処理にも支障が出る。定数削減法案を優先する政権運営が、結果として他の政策課題の審議を難しくしている。
参院の日程協議にも与野党対立が大きく波及
対立は衆院だけでなく、参院の日程協議にも波及している。野党側は、週刊文春で報じられた高市首相陣営による他候補へのひぼう中傷動画投稿問題などをめぐり、予算委員会の集中審議開催を求めている。開催が確約されなければ、新たな日程協議には応じないとの立場を示している。
参院では野党が過半数を握っており、与党が衆院で法案を通しても、その後の審議が停滞する可能性がある。与党内で60日規模の会期延長論が出ているのは、この参院情勢を踏まえたものだ。参院が法案受け取り後60日以内に採決しなければ否決とみなされ、衆院で再可決する道が開かれる。
合意形成を欠く国会運営が今後の重要焦点に
今国会の焦点は、定数削減法案の成立可否だけではない。与党が法案処理を急ぐ一方、野党は比例代表のみの削減や審議手法に反発し、国会全体の運営をめぐる対立が深まっている。会期延長が行われれば、与党は未成立法案の処理時間を確保できるが、野党との溝が埋まる保証はない。
特別国会であるため、今国会は会期延長を2回行うことができる。維新側には、段階的な延長によって法案成立を進めるべきだとの考えもある。だが、野党が求める集中審議や丁寧な協議に与党がどう応じるかが、今後の国会運営を左右する。法案成立を急ぐ姿勢と合意形成の必要性が、会期末を前に鋭くぶつかっている。