ホルムズ海峡攻撃後に米軍がイランへ報復空爆
米中央軍は7月7日、ホルムズ海峡を航行中の商船がイランによって攻撃されたことへの報復として、イランを空爆したと発表した。攻撃対象は海峡周辺の防空システムや沿岸レーダー基地などで、80か所以上に及んだ。
ホルムズ海峡は中東情勢において重要な海上交通路であり、同海域での商船攻撃は米国の軍事対応を引き出す直接的な要因となった。米側は今回の空爆を、イランの行動に対する報復措置として位置付けている。
この攻撃により、6月下旬以来となる米イラン間の軍事的応酬が再び表面化した。停戦覚書に基づく枠組みは維持が難しい状況に置かれている。
イラン反撃で湾岸地域の米軍施設が標的となる情勢
イランの精鋭軍事組織である革命防衛隊は7月8日、米軍施設に対して反撃したと発表した。標的はバーレーンとクウェートにある米軍施設85か所で、ミサイルと無人機を使用したとしている。
革命防衛隊は、この反撃に関連して隊員1人が死亡したことも明らかにした。米軍による空爆とイラン側の反撃が短期間で続いたことで、湾岸地域の緊張は一段と高まった。
米国とイランの双方が軍事行動を公表したことにより、停戦の実効性には疑問が生じている。攻撃の応酬は、外交協議の再開に向けた環境を大きく悪化させている。
原油禁輸措置の再開で外交対立がさらに拡大
米財務省は7月7日、イラン産原油に対する禁輸措置を再開する方針を示した。覚書に基づき、イラン産原油の輸出は2か月間認められていたが、7日以降の新規取引は認めないとした。
この措置に対し、イラン外務省は覚書の重大な違反だと非難した。軍事面だけでなく、経済制裁をめぐる対立も再び強まっている。
原油禁輸の再開は、停戦覚書の信頼性をさらに揺るがす要素となっている。米国が軍事的圧力と経済的圧力を同時に強める中、イラン側の反発は避けられない状況となっている。
停戦協議の再開を阻む米イラン双方の相互不信
トランプ米大統領は7月8日、アンカラで記者団に対し、停戦覚書は終わったとの認識を示した。イランとの取引をこれ以上望まない趣旨の発言を行い、イラン指導部への批判を強めた。
ただし、トランプ氏は一方で、米国の交渉担当者が望む場合には交渉を認める考えも示している。協議の余地は残されているが、発言全体は強硬姿勢を前面に出すものだった。
イラン側も、原油禁輸の再開を覚書違反と位置付けており、米国への不信感を強めている。双方の主張が対立する中、戦闘終結に向けた協議を早期に再開できるかは見通せない。
戦闘終結への枠組み維持に不透明感広がる情勢
今回は、商船への攻撃を発端に、米軍による報復空爆、イラン側の反撃、さらに原油禁輸措置の再開が相次いだ。一連の展開は、米イラン間の停戦覚書を維持するための土台を大きく揺るがしている。トランプ氏はイランの核兵器保有を認めない姿勢を改めて示し、合意がなくても目標を達成する必要がある可能性に言及した。イラン指導部への強い批判も、対話再開の障害となっている。
米イランが最終合意へ進むには、軍事的応酬の停止と覚書をめぐる対立の整理が必要となる。現時点では、停戦枠組みの維持に暗雲が広がっている。