日中外相がマニラで短時間接触、関係悪化後初の対話も正式会談には至らず意思疎通継続の必要性を確認、改善への道筋なお見えず

嶋田 拓磨
经过

マニラで日中外相が短時間の意見交換

茂木敏充外相は7月23日、訪問先のフィリピン・マニラで記者団の取材に応じ、中国の王毅外相と前日の22日に短時間言葉を交わしたと明らかにした。両氏は東南アジア諸国連合(ASEAN)関連の外相会議に出席するため、マニラを訪れていた。接触は会議日程の合間に行われ、日中間の関係について意見を交わした。

日中の外相が直接意思を通わせたのは、2025年11月以降で初めてとなる。高市早苗首相が国会で台湾有事を巡る答弁を行った後、両国関係は悪化していた。今回の接触は限定的なものだったが、対話が途絶えていた状況から一歩動いた形となった。

具体的な協議内容は明らかにされず

茂木氏は王氏とのやりとりについて、2国間の関係を話題にしたと説明した。一方、具体的にどのような問題を取り上げたのかは公表しなかった。台湾情勢や中国による対日措置について協議したかどうかも明らかになっていない。

茂木氏は、地域の平和と安定において日本と中国が大きな責任を担っているとの認識を示した。その上で、今後も対話を続けることが極めて重要だと強調した。両国間に複数の懸案が残る中でも、政府間の連絡を維持する必要性を改めて示した発言となる。

正式会談の実現には至らない状況

今回の接触は、あらかじめ設定された正式な外相会談ではなかった。関係悪化後初めて両国外相が言葉を交わしたものの、外交関係の改善に向けた本格的な協議は行われていない。会談の開催や具体的な合意につながる動きも示されなかった。

中国外務省の林剣報道官は7月23日の記者会見で、王氏と日本側の接触について質問を受けた。しかし、日本側と会談する予定は把握していないと述べるにとどまり、実際に言葉を交わしたかどうかには言及しなかった。中国側は今回の接触を公式な協議として扱っていない姿勢を示している。

中国側は日本への厳しい姿勢を維持

王氏は7月22日に開かれたASEAN外相との会議で、日本を念頭に置いたと受け取れる発言を行った。軍国主義の再来を認めないとの立場を示し、日本への警戒感を表明した。日中外相の接触があった一方で、中国側の対日批判は収まっていない。

王氏は翌23日、ASEANプラス3と東アジアサミットの外相会議を欠席した。いずれも茂木氏が参加し、日中双方が同席する予定だった会合である。中国外務省は、王氏がキルギスで開催される上海協力機構の外相会合に出席するため、日程上の理由でマニラを離れたと説明した。

対話の継続と関係管理が今後の焦点

日中外相による短時間の接触は、厳しい両国関係の中でも対話の余地が残されていることを示した。一方で、正式な交渉や関係改善に直結する動きは見られず、双方の距離は縮まっていない。単発の接触にとどめず、実務的な協議を継続できるかが重要となる。

茂木氏はマニラ滞在中、ロシアのラブロフ外相とも短時間意見を交わした。ロシアを日本の隣国と位置付け、政府間の連絡や人的交流を含めた関係管理が重要だと説明している。日本政府は周辺国との懸案を抱えながらも、国益を踏まえて意思疎通を続ける方針を示している。

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