原油安でダウ上昇、ハイテク株は下落
週明け7月27日の米国株式市場では、ダウ工業株30種平均とナスダック総合指数が対照的な値動きを示した。ダウ平均は前週末から262ドル83セント上昇し、終値は5万2210ドル08セントだった。これに対し、ナスダック総合指数は43.742ポイント安の2万4932.082となり、4日続けて前営業日の水準を下回った。
取引量はニューヨーク市場が概算12億929万株、ナスダック市場が69億5608万株だった。ダウ平均には中東情勢への懸念後退が追い風となったが、ナスダック市場では半導体企業の投資負担が意識された。同じ日の取引でも、指数を構成する業種の違いによって結果が分かれた。
エヌビディアの巨額保証を警戒
ハイテク株の重荷となったのは、エヌビディアとOpenAIを巡る大規模な資金計画に関する報道だった。エヌビディアは、OpenAIが利用するデータセンターのリースに関連し、2500億ドル、約40兆9250億円の保証を行う方向で協議していると伝えられた。報道を受け、投資家の間では同社の資金負担が拡大することへの警戒が強まった。
データセンターへの投資はAI向け計算需要の拡大に対応する動きだが、保証額の大きさが注目された。市場では、資金調達の増加や設備投資が過度に膨らむことへの不安が浮上した。こうした見方からエヌビディア株は値下がりし、ナスダック総合指数を押し下げる要因となった。
半導体銘柄への売りが相次ぐ
エヌビディアへの売りは、ほかの半導体関連銘柄にも影響した。データ保存関連のサンディスクや、半導体製造装置を手がけるASMLも下落した。成長期待を背景に上昇してきたハイテク株では、将来の収益だけでなく、事業拡大に必要な資金の規模も厳しく評価された。
ナスダック市場は半導体やIT企業の割合が高いため、主要銘柄の下落が指数全体に波及しやすい。27日は原油価格の低下という株式市場にとっての支援材料があったものの、ハイテク株では個別企業に関する懸念が優先された。その結果、ナスダック総合指数はダウ平均の上昇に追随できなかった。
原油急落がダウ平均を下支え
ダウ平均では、米国とイランの軍事行動が止まったことが好感された。米国が大規模攻撃を実施せず、イランも報復を停止すると表明したことで、中東情勢が一段と悪化するとの不安が後退した。これを受けてニューヨーク原油先物は大きく値下がりし、物価への圧力が弱まるとの受け止めが広がった。
原油価格の低下は企業の運送費や生産費の負担軽減につながるため、インフレへの警戒を和らげる材料となった。ダウ平均の構成銘柄では、セールスフォースや3Mが上昇し、指数を支えた。ただ、軍事的な対立が根本的に解決した状態ではないことから、株価の上昇幅を広げる動きは限定的だった。
指数ごとに異なる投資材料
米国市場では、中東情勢と原油価格が市場全体を支える一方、巨額投資に伴う企業財務への懸念がハイテク株を圧迫した。ダウ平均は物価上昇への不安が弱まったことで続伸したが、ナスダック総合指数は半導体株の下落を受けて連日の安値となった。投資家が業種や企業ごとの材料を区別して判断する状況が鮮明になった。
米国株の動きを受け、シカゴ日経平均先物の円建て清算値は6万4055円となった。これは27日の大阪取引所の清算値と比べて1115円低い水準だった。半導体関連株の軟調な値動きが、日本の株式市場にどのように反映されるかも焦点となる。