外需主導で4~6月期GDPはプラス成長を確保
2026年4~6月期の実質国内総生産(GDP)は前期比0.3%増となり、年率換算では1.1%の増加となった。前期を上回るのは3四半期連続だが、市場では前期比0.5%増、年率2.0%増が見込まれていたため、成長率は予想より低い水準にとどまった。今回の特徴は、国内の消費や投資ではなく、輸出と輸入の差で示される外需がGDPを支えた点にある。外需の寄与はプラス0.5ポイントとなり、内需のマイナスを補った。
原油輸入の減少がGDPを押し上げた特殊な構図
中東情勢の緊迫化によって原油の輸入が減ったことが、GDPを押し上げる一因となった。GDPでは輸入額が差し引かれるため、輸入が減少すると他の条件が同じであれば計算上は成長率を高める方向に作用する。今回の外需改善には、この仕組みが影響した。原油調達の減少は国内需要の拡大を示すものではないため、数字上の成長と国内経済の実態を分けて確認する必要がある内容となった。
特許権の海外譲渡が輸出と投資の双方に影響
もう1つの大きな要因となったのが、日本の製薬会社による特許権の海外への譲渡だった。この取引によってサービス輸出が増え、外需を押し上げる方向に働いた。その一方で、研究開発サービスへの国内投資が減少したため、企業の設備投資にはマイナス要因となった。設備投資全体は前期比1.2%減少し、2四半期連続で前期を下回った。同じ取引が外需にはプラス、国内投資にはマイナスとして表れたことが、4~6月期GDPの構成を特徴付けた。
個人消費と設備投資の弱さが景気の課題として残る
家計部門でも力強さを欠いた。個人消費は前期比0.02%減で、8四半期ぶりにマイナスとなった。タバコ、電気代、教育費などの支出減が響いた一方、自動車販売やエアコン需要は増加した。住宅投資は0.5%減、公共投資は0.1%減となり、設備投資と合わせて内需の弱さにつながった。その結果、内需のGDP寄与度はマイナス0.2ポイントとなった。実質雇用者報酬は前年同期比2.2%増へ伸びを拡大したものの、4~6月期には個人消費の増加には結び付かなかった。
9月の日銀会合を前に実体経済の見極め続く
政府は国内需要に特殊要因があったとした上で、景気は基調として緩やかな回復を続けているとの判断を示した。物価動向を表すGDPデフレーターは前年同期比2.6%上昇し、1~3月期の3.2%から上昇幅が縮小した。第一ライフ経済研究所の新家義貴氏は、中東情勢が不安定な中でも景気は底堅さを維持したとの見方を示した。一方、みずほ総合研究所の服部直樹氏は実体経済をより慎重に確認する必要があると指摘しつつ、外部環境などを踏まえれば、9月の日銀会合で利上げが有力との見方は変わらないとしている。