国内136都市を対象に総合力を分析
森記念財団都市戦略研究所は7月29日、国内の主要都市を多角的に比較した「日本の都市特性評価2026」を公表した。東京23区を除く136都市を対象に、経済力や文化、暮らしやすさなどを数値化したもので、大阪市が6年続けて総合1位となった。
調査対象は政令指定都市、都道府県庁所在地、人口17万人以上の都市である。評価には国の統計や住民アンケートを用い、「経済・ビジネス」「文化・交流」「交通・アクセス」など6分野、計87指標を反映した。
総合順位では名古屋市が2位、福岡市が3位に入った。4位以下は横浜市、京都市、神戸市、札幌市、仙台市、金沢市、広島市の順となり、各地域の中核都市が上位を占めた。
大阪市は経済力と移動環境で首位
大阪市は「経済・ビジネス」と「交通・アクセス」の2分野で1位を獲得した。賃金水準や労働生産性が高く評価されたほか、財政に関する指標も前年から改善した。
交通面では、公共交通機関を利用しやすい環境や、通勤に要する時間の短さが評価を押し上げた。都市内での移動の利便性が、働く場としての競争力と生活上の使いやすさの双方につながった。
経済と交通で安定して高い評価を維持したことが、6年連続首位の土台となった。複数の分野で強みを持つ都市構造が、総合得点に反映された形である。
万博開催で文化交流の評価も上昇
大阪市は「文化・交流」でも2位となった。前年に開催された大阪・関西万博を契機に、観光を目的として市内を訪れる人が増えたことが評価につながった。
万博による来訪者の増加は、都市の情報発信力や交流機会を示す指標にも影響した。経済や交通だけでなく、観光と文化面でも存在感を高めたことが総合首位を支えた。
研究所側は、万博後も大阪市の発信力が維持されることに期待を示している。大規模行事によって高まった注目を、継続的な都市評価へ結び付けられるかが焦点となる。
環境分野は135位で課題残る
一方、大阪市の評価はすべての分野で高かったわけではない。「環境」は136都市中135位にとどまり、総合首位との大きな差が表れた。
街路の清潔さなどが課題として挙げられた。経済活動や交通網の充実が高得点につながる一方、都市環境の質に関する指標では改善の余地が残された。
総合力をさらに高めるには、上位分野の強みを保ちながら、低評価となった項目への対応が求められる。今回の結果は、大阪市の競争力と弱点を同時に示す内容となった。
6年連続トップが裏付ける大阪市の高い評価
大阪市は、経済、交通、文化交流の各分野で高い評価を受け、国内主要都市の首位を守った。特に、雇用や生産性、公共交通の利便性といった都市機能の充実が際立った。
その一方で、環境分野の順位は低く、都市としての総合的な魅力を高めるうえで課題も明確になった。高評価の分野と改善が必要な分野がはっきり分かれた点が、今回の調査の特徴である。
6年連続の首位は大阪市の安定した都市力を示す結果となった。今後は万博を通じて高まった交流や発信の効果を維持しつつ、環境面の底上げを進めることが重要となる。