国債のオンチェーン対応へ専門家会合を設置
財務省は9月30日、国債のオンチェーン対応を検討する研究会を開催すると発表した。第1回会合は10月8日午前10時から開き、専門家から意見や助言を得ながら、ブロックチェーン技術を国債に活用するための課題を議論する。2026年12月から2027年1月をめどに、それまでの検討内容を整理する。
オンチェーンは、取引情報などをブロックチェーン上に記録し、処理する仕組みを意味する。国債についてもこうした技術への対応を進め、金融取引のデジタル化につなげるための検討が始まる。
5人の有識者が国債の新たな仕組みを議論
研究会には大学の法学、政治学、経済学分野の研究者に加え、民間金融分野の専門家を含む5人が参加する。財務省理財局次長が主催し、日本銀行と金融庁がオブザーバーとして加わる。事務局は理財局の国債企画課と国債業務課が担当する。
会議そのものは非公開で実施される。一方、議論の内容をまとめた議事要旨と会合で使用した配布資料については、開催後に公開する予定となっている。
元本償還や利払いのオンチェーン化も検討
政府が7月21日に策定した金融戦略では、財務省が国債などのトークン化への対応を検討する方針が示された。国債の元本を償還する際の支払いや利息について、投資家の需要に応じてオンチェーン決済を可能にするための検討を進める。
国債だけでなく、政府の金融戦略では幅広い資産のトークン化も対象となっている。ステーブルコインやトークン化預金を利用するオンチェーン決済も検討項目に含まれ、ブロックチェーンを金融取引の基盤として活用するための取り組みが進んでいる。
金融分野全体でもブロックチェーン活用を推進
国債を対象とした研究会と並行し、金融庁は9月30日、オンチェーン金融の社会実装に向けた官民フォーラムの初会合を開催した。日本銀行、財務省、全国銀行協会などが参加し、24時間365日利用可能な金融サービスの実現に向けた環境整備を進める。
検討内容には新たな決済システムの構築促進や決済高度化プロジェクトの継続・拡大も含まれる。さらに、日本銀行の当座預金をオンチェーンに対応させることや、金融機関などによるAIの健全な利用を促進するための方策も議論する。
国債と決済のデジタル化へ年明けに整理
財務省の研究会は2026年末から2027年初めにかけて議論を整理する。金融庁の官民フォーラムも2027年初めに中間整理をまとめ、オンチェーン金融の社会実装に向けたロードマップを策定する方針だ。国債に特化した検討と金融システム全体を対象とする議論が同時に進められる。
金融行政方針には、ブロックチェーンを基盤とするオンチェーン金融の社会実装を促す方向性が明記されている。国債の元本償還や利払い、24時間365日の決済、資産のトークン化などを対象に、金融インフラへのブロックチェーン導入に向けた具体的な検討が進む。