主食用米の生産量が需要見通しを大きく上回る状況
農林水産省は10月13日、2026年産の主食用米について、収穫量が740万6000トンに達するとの推計を公表した。前年産から6万2000トン減少するものの、国内需要を大きく超える生産規模となっている。
同省が9月に示した需要予測と比較すると、供給量は少なくとも約30万トン多い。前年に続いて700万トンを超える生産が見込まれ、国内のコメ需給は供給が需要を上回る状態となっている。
2026年産の収穫量は、直近10年間で2番目に多い水準に相当する。生産量が前年を下回る一方、消費に必要な数量を十分に確保できる状況が示された。
民間在庫は過去最高水準に達し供給余剰が拡大
国内では、すでに大量のコメが保管されている。2026年6月末時点の民間在庫は過去最高水準に達しており、新たな収穫分が市場に加わることで、保有数量は一段と増える状況にある。
今回の推計では、収穫量が需要予測を少なくとも約30万トン上回った。既存の在庫に加えて、年間の生産量も需要を超えることから、供給過剰の状態が続くことになる。
コメの在庫が積み上がる背景には、前年から引き続く高水準の生産がある。2025年産は746万8000トンと4年ぶりに700万トンを突破しており、2026年産もこれに近い数量が確保される見通しとなった。
需給の緩和によってコメ価格の下落が焦点に
主食用米の供給が需要を超えることで、コメ市場では需給の緩和が進む状況となっている。2026年産の予想収穫量が高い水準を維持していることに加え、民間在庫の多さも市場の供給状況に影響している。
こうした供給量の増加を背景に、コメ価格には一段の下落が見込まれている。前年産と比べて収穫量が約1%減少しても、需要を上回る生産が続くため、供給不足とは異なる市場環境が形成されている。
農林水産省の担当者も、天候不順によって実際の収穫量が予測を下回る可能性に言及する一方、需要に対して供給が不足する状況は想定しにくいとの認識を示した。
長雨や日照不足で収穫量は前年を下回る見込み
2026年産の主食用米は、前年の746万8000トンから740万6000トンへ減少する見込みとなった。減少幅は6万2000トンで、割合では約1%に相当する。
生産量が減る要因として、梅雨期に発生した長雨や日照時間の不足が挙げられている。天候条件が稲の生育に影響したほか、雨が続いた地域では収穫作業の進行にも遅れが生じた。
さらに、前年には生産されなかった備蓄用のコメが2026年には生産されることも、主食用米の集計数量に影響している。備蓄向けの生産分は主食用米の収穫量から除かれるため、前年との比較では減少要因となる。
今後の収穫量確定後も在庫増加が重要な課題に
今回の予想収穫量は、9月25日時点の調査結果を基礎としている。調査時点では全国の刈り取り作業が約6割まで進んでおり、実測値やもみの数量などを用いて生産規模が算定された。
ただし、調査後に続いた長雨や収穫作業の遅れについては、今回の数字に十分反映されていない。農林水産省は、10月25日時点の調査結果を11月中旬に発表し、天候による影響を詳しく示す予定だ。
最終的な収穫量には変動の余地が残るものの、現段階では需要を超える供給が見込まれている。過去最高水準の民間在庫と新米の大量供給が重なるなか、在庫数量のさらなる増加とコメ価格の動向が引き続き注目される。