売上高が前年を下回る一方で利益は増加する決算に
任天堂は11月5日、2026年4〜9月期の連結業績を発表した。売上高は9660億円となり、前年同期から12.1%減少した。一方、最終的な利益に当たる純利益は2209億1700万円で、前年同期を11.0%上回った。
売上規模が縮小するなかで利益が増加した背景には、家庭用ゲーム機とゲームソフトの販売動向の違いがある。2025年6月に発売されたニンテンドースイッチ2は、本体の販売台数が前年の水準に届かなかった。
これに対して、収益性の高いゲームソフトの販売は拡大した。さらに、映画事業に関連する収入も増えたことで、本体販売の落ち込みによる影響を補う結果となった。
スイッチ2の販売台数は前年同期比37.4%減少
ニンテンドースイッチ2の販売台数は、2026年4〜9月の6か月間で649万台だった。前年同期と比較すると37.4%の減少となり、売上高を押し下げる主要な要因となった。
2025年6月の発売当初は購入希望者が集中し、公式オンラインストアや小売店では抽選方式による販売が実施された。今回の販売実績には、発売直後に生じた大きな需要が一巡した影響が表れている。
また、半導体を含む部品の調達費用が上昇したことから、任天堂は日本や欧米で本体価格を引き上げていた。こうした価格改定も販売台数の減少に影響した。
前年は新型機の発売直後という特殊な販売環境にあったため、今回の決算では本体の販売実績に大きな差が生じた。
新作タイトルの投入でゲームソフトの販売本数が拡大
ゲームソフト事業では、本体とは異なる販売動向が確認された。ニンテンドースイッチ2向けソフトは2449万本を販売し、前年同期比18.8%増となった。
初代ニンテンドースイッチ向けのソフトについても、販売本数は6573万本に達した。前年同期から6.8%増加しており、新旧両機種のゲームソフトが販売を伸ばした。
販売拡大には、新たなタイトルの投入が寄与した。「スプラトゥーン レイダース」や「ファイアーエムブレム 万紫千紅」などが発売され、商品構成が充実した。
さらに、2026年4月発売の「トモダチコレクション わくわく生活」は、世界全体で881万本を販売した。複数の作品が販売実績を積み上げたことで、ソフト事業は利益を支える役割を果たした。
映画関連収入の拡大と関税還付が営業利益を押し上げ
ゲーム事業以外の収入も、今回の業績に寄与した。映画「ザ・スーパーマリオギャラクシー・ムービー」の好調を受け、知的財産を活用した事業などの収入は前年同期から約90%増加した。
任天堂が保有するキャラクターや作品を活用した収益が拡大し、ゲーム機本体やソフトの販売以外にも業績を支える要素が生まれた。
営業利益は2165億円となり、前年同期の1.5倍に増加した。この増益には、米国のトランプ政権による関税の還付も影響している。
ソフト販売の増加、映画関連事業の収入拡大、関税還付が重なり、売上高の減少とは対照的に利益面では改善が確認された。
通期業績予想は据え置きで年間計画に変更なし
任天堂は今回の中間決算を受けても、2027年3月期の通期業績予想を修正しなかった。4〜9月期の売上高は前年を下回ったが、利益は増加しており、年間の業績計画は従来の内容を維持した。
今回の決算では、ゲーム機本体の販売台数が減少する一方、ソフトの販売本数は新旧両機種で増加した。特に、利益率が比較的高いソフトの販売拡大が収益改善につながっている。
映画を含む知的財産関連事業も収入を伸ばしており、営業利益と純利益はいずれも前年同期を上回った。任天堂の中間業績は、本体販売の減少とソフト・関連事業の成長が同時に進んだ内容となった。