原油急騰と中東緊張で東京株急落、日経平均2892円安記録

嶋田 拓磨
经过
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中東情勢悪化で東京市場に売り圧力拡大

週明け3月9日の東京株式市場では、地政学リスクの高まりを背景に売り注文が膨らみ、株価が大きく下落した。日経平均株価は全面安の展開となり、市場全体で投資家のリスク回避姿勢が強まった。終値は前週末より2892円12銭安の5万2728円72銭で取引を終えた。下げ幅は歴代で3番目の大きさとなり、市場の動揺の大きさを示した。

取引時間中には下落幅が一時4200円を超え、指数は5万1400円台まで低下した。中東地域の軍事的緊張が金融市場に影響を及ぼし、投資家心理が急速に冷え込んだ。

原油価格急騰がインフレ懸念を拡大

株価下落の大きな要因となったのが原油市場の急騰である。ニューヨーク原油先物市場では代表的な指標であるWTIの4月物が急上昇し、1バレル119ドル台まで値を上げた。前週末の終値と比べて約30%の上昇となり、エネルギー価格の急騰が市場に衝撃を与えた。

原油高は企業活動や家計のコスト増加につながるため、物価上昇圧力の拡大が懸念されている。東京市場ではこうしたインフレリスクを警戒した売りが広がり、幅広い銘柄で値下がりが進んだ。

中東紛争拡大の警戒が市場心理を悪化

市場では中東情勢の不透明感も強い影響を与えた。イランでは殺害された最高指導者の後継として、対米強硬派とみられるモジタバ師が選ばれたと伝えられている。さらに米国とイスラエルがイランへの軍事行動を検討しているとの報道もあり、緊張が高まった。

世界の石油輸送の要衝であるホルムズ海峡の情勢が不安定化すれば、エネルギー供給への影響が拡大する可能性がある。このため原油価格の高止まりが続くとの警戒が広がり、株式市場の重荷となった。

米経済指標の弱さも株価下落の要因

前週末に公表された米国の雇用統計も市場の不安材料となった。雇用の伸びが市場予想を大きく下回り、米景気の減速を意識した売りが米国株式市場で広がった。この流れが東京市場にも波及し、投資家の慎重姿勢を強める結果となった。

海外市場の不安定な動きが日本株の売りにつながり、相場全体の下落圧力が強まった。

東証全体で下落銘柄が多数を占める展開

東京証券取引所では幅広い銘柄が値下がりし、東証プライム市場の約9割が下落した。東証株価指数(TOPIX)は前週末より141.09ポイント低い3575.84となり、市場全体で株価が押し下げられた。

出来高は36億8477万株と活発だったが、売り注文が優勢の展開となった。日経平均の終値は2月初旬以来の安値水準となり、世界情勢の影響が日本市場にも大きく及んだ。

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