フィリピン北部基地で開幕式実施
日本、米国、フィリピンなどによる合同軍事演習「サラクニブ」が4月6日、フィリピン北部の陸軍基地で始まった。開幕式はルソン島北部に位置する基地で行われ、各国の指揮官や関係者が出席した。
今回の演習には日本の陸上自衛隊が初めて大規模に参加し、約420人の隊員が派遣された。これまで日本は少人数の視察的な参加にとどまっていたが、今回は本格的な共同訓練に加わる形となった。
参加各国は合同での作戦運用能力の向上を目指し、実動訓練を通じた連携強化に取り組むとしている。
円滑化協定発効が参加拡大を後押し
日本とフィリピンは2025年9月、安全保障分野の協力を進めるための「円滑化協定(RAA)」を発効させた。この協定により、両国部隊の往来手続きが簡素化され、より大規模な訓練が実施可能となった。
これまでの協力は主に災害対応や人道支援に関する訓練が中心であったが、協定の成立によって幅広い分野での共同訓練が行えるようになった。
今回の演習は、その新たな枠組みが具体的に運用される重要な機会と位置づけられている。
五か国参加で多様な作戦訓練を実施
今年の「サラクニブ」には、日本、米国、フィリピンに加え、オーストラリアとニュージーランドが参加し、総勢7000人以上が加わる見通しとなっている。
訓練内容には、陸上作戦の指揮系統の連携強化のほか、射撃訓練などの実践的な活動が含まれている。さらに、電子戦や無人機への対応といった新しい作戦環境に対応する訓練も予定されている。
演習は5月まで継続され、各国部隊の相互運用能力を高めることが重要な目的とされている。
南シナ海情勢背景に連携強化進む
フィリピンは南シナ海の領有権問題を巡り、中国との緊張関係が続いている。この状況を背景に、同国は日本や米国との安全保障協力を一段と強めている。
米軍関係者は開幕式において、多国間の協力体制が地域の安定に寄与するとの認識を示した。また、日本の部隊指揮官も、多国間訓練が能力向上に大きな意義を持つと述べている。
こうした取り組みは、地域における共同対応力の向上を目的としたものとされる。
インド太平洋で抑止力向上が焦点
演習の実施は、インド太平洋地域の安全保障環境が厳しさを増しているとの認識を反映している。日本政府関係者は、同盟国や地域のパートナーとの協力を通じて抑止力の向上を図る必要性を強調している。
フィリピン軍の幹部は、日本の持つ独自の運用体制や技術から学ぶことへの期待を示しており、共同訓練を通じた知識共有の重要性が指摘されている。
今回の演習は、各国が協力関係を具体的に深める場として位置づけられている。