リニア開業時期 静岡着工後に見通し提示へ

市原 陽葵
经过

静岡工区進展が焦点となる状況

リニア中央新幹線の建設を巡り、静岡工区の扱いが今後の工程全体を左右する重要な段階に入っている。JR東海の丹羽俊介社長は2026年4月28日、名古屋市で記者会見を開き、同区間の着工実現が開業時期を示す前提になるとの考えを示した。
同社は品川―名古屋間の完成時期を明確に示していないが、静岡工区の進展が全体計画に影響する位置づけとなっている。工事の開始が具体化した段階で、改めて見通しを示す意向を表明した。

静岡県が求めた条件への対応完了

静岡県では、工事を認める前提として28項目の対応策を求めてきた。県の専門部会は2026年3月までに、JR東海が提示した対策内容について了承した。
ただし県側は、流域住民への説明や関連手続きの進行状況を確認したうえで最終判断を下す方針を維持している。これにより、着工の是非は行政手続きと地域理解の双方が整うかどうかにかかっている。

南アルプストンネル工事の重要性

静岡工区は、山梨、静岡、長野の3県にまたがる南アルプストンネルの一部を構成する区間である。対象となる距離は約8.9キロで、難工事が想定される山岳地帯に位置している。
この区間の施工には少なくとも10年を要すると見込まれており、仮に年内に着工した場合でも、開業は2036年以降となる見通しが示されている。工期の長さは、全体スケジュールを左右する大きな要因となっている。

住民説明と地域理解の確保が課題

静岡県は工事容認の条件として、地元住民や自治体の理解を得る取り組みを重視している。これに対応する形でJR東海は、大井川流域の10自治体と静岡市の住民を対象に説明会を開催する予定である。
説明会は2026年5月から6月にかけて実施される計画で、双方向の意見交換を通じて理解を深める狙いがある。地域との対話が進展するかどうかが、着工の可否を判断する重要な材料となる。

知事判断と全体工程の行方が注目

最終的な着工の可否は静岡県知事の判断に委ねられている。県は法令や条例に基づく手続きを踏まえ、時期を見極めながら判断を行う方針を示している。
JR東海側は、できるだけ早い時期の着工を目指す姿勢を示し続けており、静岡工区の進展がリニア中央新幹線計画全体の節目となる。今後の行政判断が開業時期の提示時期にも影響を与える見通しである。

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