オマーンの均等管理提案を退けたイラン側の判断
イランのガリブアバディ外務次官は7月28日、ホルムズ海峡の航路を対岸のオマーンと均等に分けて管理する構想を拒否したと明らかにした。オマーンは米国とイランの緊張を和らげるため、双方が海峡管理を分担する案を提示していた。外務次官は国営テレビを通じ、同案ではイランが抱える安全保障上の問題に対応できないとの立場を示した。
ホルムズ海峡はイランとオマーンの間に位置し、両国に近い海域を船舶が通過している。今回の提案は、航路を双方で均等に受け持つことで対立を緩和する狙いがあった。しかし、イランは管理範囲を単純に折半する方式を受け入れず、自国の要求を優先する姿勢を崩さなかった。
安全保障上の懸念を理由に独自の管理案を維持
イラン側は、海峡へ入る船舶が使用する航路の全てと、海峡を出る航路の一部を自国が管理する必要があると主張している。オマーンが示した50%ずつの分担では、イランの安全を確保するには不十分だという説明だ。管理区域の広さだけではなく、船舶の進入方向を押さえることを重視している形となる。
ガリブアバディ氏は、オマーン側に近い海峡南部を通過する航路について、イランとして認めることはできないと強調した。船舶がオマーン寄りの海域を利用する方式そのものに反対しており、双方の認識には大きな差がある。イランはこれまでも同海域を航行する船を攻撃するなど、海峡全体への影響力を強く主張してきた。
海峡南側の航路を巡り両国の立場が正面衝突
オマーンの構想は、海峡を2国で分担し、船舶の通行を安定させることを目指したものだった。ロイター通信によると、利用者が任意で航行支援や環境保全の費用を負担するマラッカ海峡の仕組みも参考にされた。軍事力だけに依存せず、海峡利用国や船舶関係者を含む枠組みを整える考えが背景にあった。
これに対し、イランは均等な分割では自国の要求が満たされないとしている。特に南側航路を認めない立場を明確にしたことで、オマーン案の中心部分を受け入れない姿勢が鮮明となった。航行の自由を確保しようとする提案と、自国主導の管理を求めるイラン側の主張が対立している。
国際機関の関与案も浮上する中で調整が継続
海峡の管理を巡っては、国際海事機関が関与する構想も取り沙汰されている。米ニュースサイトのアクシオスが伝えたもので、当事国だけではなく国際的な枠組みを活用する案となる。具体的な管理方法や参加国、権限の範囲については、提供された情報では明らかにされていない。
オマーンはこれまで、米国とイランの間で緊張緩和に向けた働きかけを進めてきた。今回の航路分割案も、対立を直接解決するのではなく、海峡の運用方法を整理することで衝突を抑える試みと位置付けられる。ただ、イランが均等管理を拒んだことで、提案を基礎とした合意形成は難しい状況となった。
封鎖継続を示す強硬姿勢で打開の行方は不透明
ガリブアバディ氏は、イランの提案が受け入れられない場合、ホルムズ海峡の封鎖を続けると表明した。さらに、戦闘を再開する用意があるとの発言も伝えられ、海峡管理の交渉と軍事的な圧力を結び付ける姿勢を示した。航行条件を巡る対立は、安全保障問題と切り離せない状態にある。
イラン側の要求とオマーン案の隔たりは、管理区域だけでなく海峡を誰が主導するかという点にも及んでいる。国際機関の関与を含む別案が浮上しているものの、現時点で具体的な合意には至っていない。封鎖継続の方針が示される中、海峡の安定運用に向けた交渉の行方は不透明なままとなっている。