米軍がイランへの空爆を再開した経緯と背景
米中央軍は7月29日、イランに対する空爆を再び実施したと発表した。米軍は7月23日まで13日間にわたり攻撃を続けた後、軍事行動を一時的に抑えていたが、イラン側による米軍拠点への攻撃を受けて作戦を再開した。米国とイランの間では軍事行動が再び連続する局面に入り、中東情勢の緊張が一段と高まっている。
イラン革命防衛隊は30日、米国側を非難する声明を出し、新たな攻撃を行う姿勢を示した。米軍による空爆再開に対して報復を続ける構えを明確にした形だ。双方が攻撃を正当化する主張を強めており、短期間で衝突が収束する状況には至っていない。
ヨルダンの米軍基地を狙った弾道ミサイル攻撃
今回の米軍による空爆再開に先立ち、革命防衛隊は7月28日、ヨルダンに置かれた米軍関連施設を標的に弾道ミサイルを発射した。攻撃対象には米空軍基地と米中央軍の司令部が含まれていたとされる。革命防衛隊は複数のミサイルを使用したと発表し、中東に展開する米軍への直接的な軍事行動を強めた。
米国側は、この攻撃を自国部隊と施設に対する重大な行為と位置付けた。米軍がイラン領内への空爆を再開したことで、基地攻撃への対抗措置が実行段階に移った。ヨルダンは中東における米軍活動の重要拠点の一つであり、同国内の施設が狙われたことは対立の地理的な広がりも示している。
トランプ氏が示した強硬な報復方針と発言
トランプ米大統領は7月29日、ホワイトハウスで記者団の取材に応じ、イランに対して強力な反撃を実施する方針を示した。米国が反撃する段階に入ったとの認識を示し、イランに大きな損害を与える軍事措置を取ると強調した。米中央軍が同日に空爆再開を発表したことで、大統領の発言は具体的な軍事行動を伴う形となった。
一方、トランプ氏はイランとの合意の可能性についても言及し、今後の動向を見極める考えを示した。ただし、交渉の余地に触れながらも、当面は報復を優先する姿勢を崩していない。軍事的圧力と合意の可能性を同時に示す対応となっているが、イラン側も追加攻撃を示唆しており、対話に向けた具体的な進展は確認されていない。
中国製防空装備の供給情報に米国側が警戒
トランプ氏は、イランが中国から携行式防空ミサイルの発射装置を最大400基調達する契約を結んだとの報道について、意外だとの認識を示した。報道では、最初の装備が数週間以内に引き渡される見通しとされている。イランの防空能力が強化されれば、米軍による航空作戦にも影響を与える要素となる。
トランプ氏は、中国の習近平国家主席から、イランへ武器を供給または販売しないとの説明を受けたとSNSに投稿していた。その対象には中国企業も含まれていたとしている。今回の調達情報が事実であれば、中国側から受けた説明との整合性が問われることになり、米中関係にも新たな問題を生じさせる可能性がある。
攻撃の応酬で中東情勢が再び緊迫する局面
米軍の空爆再開とイラン側の報復姿勢により、中東では軍事的な応酬が続く状況となった。米国は基地への攻撃を理由に対抗措置を取り、イランは米軍の行動を侵略と位置付けて追加攻撃を示している。双方の主張が正面から対立しており、攻撃範囲がさらに広がることへの警戒が強まっている。
サウジアラビアのハリド国防相は7月29日、米ホワイトハウスを訪問し、バンス副大統領やトランプ氏と会談した。サウジ側は、軍事攻勢を拡大するよりも緊張緩和を進める方が大きな成果につながるとの考えを伝えた。周辺国による外交的な働きかけが進む一方、米国とイランが軍事行動を抑制するかが情勢の焦点となる。